山本由伸へ尋ねた“ストレートな質問”…「悩んだ時はどうしているの?」【MLB】ドジャース 8ー5 タイガース(日本時間29日・ロサンゼルス) 大袈裟かもしれないが、人生を救われた言葉がある。ドジャースの山本由伸投手が28日(日本時間29日)…
山本由伸へ尋ねた“ストレートな質問”…「悩んだ時はどうしているの?」
【MLB】ドジャース 8ー5 タイガース(日本時間29日・ロサンゼルス)
大袈裟かもしれないが、人生を救われた言葉がある。ドジャースの山本由伸投手が28日(日本時間29日)、本拠地で行われたタイガースとの米国開幕カード2戦目に先発登板し、5回5安打2失点。渡米後、自己最多となる10三振を奪った。力投を続ける背番号18を見て、ふと思い出したことがある。
3年前のある日、唐突に山本から質問が飛んできた。「記事を書くのって、楽しいですか?」。少し照れながら尋ねてくる当時24歳に向かって数回、首を縦に振った。返事に驚かされた。「ですよね。やるからには楽しまないと!」。どのジャンルでも、原動力は“好奇心”にあると教えてくれた。
2022年の夏。まだオリックスに在籍していた頃の話。チーム本隊が遠征中、大阪・舞洲の球団施設に居残って先発調整をしていた山本に、人生相談をしたことがある。わざわざ記者室に足を運んでくれた。直前に自販機で購入した缶コーヒーを手渡し「どうしたんですか?」と微笑む。キンキンに冷えたブラックコーヒーの味が、今でも忘れられない。
職業や立場を取り除いて「悩んだ時はどうしているの?」とストレートに尋ねた。シンプルに気になっていたからだった。一呼吸を置くと、笑って応える。「もちろん、いろいろ考えてしまったり、感情の起伏もありますけど、基本は『いつも通り』を心掛けていますよ」。当時、24歳にして、悩みを『悩みだと考えないように』していたのだった。
「結果の手前には、1日1日の成果があるんです。だから、僕の場合は1日ずつ(調整を)クリアしていかないと、何事も始まらない。それに、納得できる試合を重ねていかないと、良いシーズンにならない。良い1年が送れないと、最後に振り返った時、納得できる人生にならないと思うんです」
深く心に突き刺さった。悩み事を抱えていた自分が、馬鹿馬鹿しくなった。山本に“究極メンタル”を教わってから、3年が経った。ドジャースタジアムで好投する背番号18を、肉眼で見た。夢中で決断すれば、悩み事なんて一瞬で解決できる。好きなことを追い求めた選択に、間違いなんてない。(真柴健 / Ken Mashiba)