◆明治安田J1リーグ▽第7節 清水3―0湘南(29日・アイスタ) 清水エスパルスは湘南を3―0で下し、5試合ぶりの白星を挙げた。前半11分、FW北川航也(28)が2戦連発となる先制のPK。エースは2―0の後半22分にも右足でゴールを決め、J…

◆明治安田J1リーグ▽第7節 清水3―0湘南(29日・アイスタ)

 清水エスパルスは湘南を3―0で下し、5試合ぶりの白星を挙げた。前半11分、FW北川航也(28)が2戦連発となる先制のPK。エースは2―0の後半22分にも右足でゴールを決め、J1では18年以来7年ぶりとなる1試合2発をマークした。リーグ連敗で中断期間に入ったチームは守備も立て直し、5試合ぶり今季3度目の完封も記録。次は中3日で4月2日にアウェー・浦和戦を迎える。

 鳴り響く名前のコールが心地よかった。清水・北川は「一番求められているチームの勝ちに貢献できて良かった」と会心の笑みを浮かべた。1試合2得点は昨年3月の愛媛戦以来。J1に限れば18年10月の磐田戦以来7年ぶりだ。「満足はしていないけど、自信を持っていい」とうなずいた。

 まずは前半11分、MF宇野禅斗が倒されて獲得したPKのキッカーを務めた。ホイッスルから20秒近くたっぷり間を取り、細かいステップから右足で流し込んだ。試合後は「ボールに集中し過ぎて笛に気付かなかった」と明かした。

 後半22分には高い位置で相手ボールを奪ったMFマテウスブエノの縦パスに反応。オフサイドラインギリギリから走り込み、右足でボールをたたきつけ浮かせる、技ありシュートをねじ込んだ。「(同様のエジルキックは)代表でも鎌田(大地)選手がやっていた。リラックスして蹴ることができた」と振り返った。

 この日は2日の岡山戦で達成したJ通算200試合出場を祝うセレモニーが試合前に行われ、家族から花束を贈られた。普段の試合前は「何点取る?」と聞くと「8点」などと答える愛息から「2点」と返ってきたという。“予言”が的中し、試合後は親子で勝ちロコにも参加。「息子の成長を見ることができるのは良かった」と優しいパパの顔を見せた。

 チームとしても価値ある1勝だ。リーグ戦は連敗で中断期間に突入。約10日間で守備のハイプレス、バックパスが多くなっていた攻撃をもう一度見直し、3発と5試合ぶり完封につなげた。「全員がやるべきことをやったことが結果に表れている」。公式戦8連戦の3戦目は浦和戦。オレンジ軍団は頼れるエースを中心に連勝街道を突き進む。(武藤 瑞基)