「広島2-3阪神」(29日、マツダスタジアム) ポーカーフェースを貫く広島・床田寛樹投手の表情がわずかにゆがんだ。1点を勝ち越した直後の六回。2死二塁のピンチを迎えると相手4番・森下に内角直球を左翼に運ばれる決勝逆転2ランを浴びた。低調な…
「広島2-3阪神」(29日、マツダスタジアム)
ポーカーフェースを貫く広島・床田寛樹投手の表情がわずかにゆがんだ。1点を勝ち越した直後の六回。2死二塁のピンチを迎えると相手4番・森下に内角直球を左翼に運ばれる決勝逆転2ランを浴びた。低調な自軍打線を思えば、重たすぎる被弾。スタンドを埋めた鯉党は静まりかえるしかなかった。
流れを確かなものにする投球ができなかった。1点を先制してもらった直後の五回に浴びた木浪の同点適時打を含めて、失点はどちらも自軍が得点を挙げた直後のイニング。「得点圏で踏ん張れなかった。あとは点を取ってもらった次の回に両方やられているので。それじゃあ勝てないなとは思います」と悔しさをにじませた。
結局、2度のリードを守れず7回7安打3失点で黒星を喫した。今季初登板でチームの連敗を阻止することはできず、「もちろん勝ちたいなと思って上がっていたので。でもこういうピッチングになってしまった。次、しっかりとやり返せるように」と唇をかみしめ、前を向くしかなかった。
新井監督は「トコは頑張っていたと思う」と左腕を責めることはしなかった。一方で森下に食らった逆転弾の場面に目を向け、「あそこをトコだけじゃなく、石原がどう感じるかだね」と配球面に言及。森下に対して1打席目から内角中心に攻めていた中、被弾した3打席目は1ボールから内角直球を捉えられ、「石原もまた勉強して次につなげてもらいたい」と糧にすることを求めた。
これで新井政権となって3年連続の開幕連敗発進と開幕カード負け越しが決定。いまだ適時打なしの厳しい船出にも指揮官は打線全体を見渡し、「今日はだいぶリラックスして打席に入れていたんじゃないかな」と語る。ファンが見たいのは投打かみ合っての勝利。本拠地で開幕3連敗を喫するわけにはいかない。