「広島2-3阪神」(29日、マツダスタジアム) これぞ4番の仕事だ。阪神は1-2と勝ち越された直後の六回、森下翔太外野手(24)が今季1号となる逆転の2点本塁打を放った。藤川球児監督(44)から「新4番」を託された若虎が一発で試合をひっく…

 「広島2-3阪神」(29日、マツダスタジアム)

 これぞ4番の仕事だ。阪神は1-2と勝ち越された直後の六回、森下翔太外野手(24)が今季1号となる逆転の2点本塁打を放った。藤川球児監督(44)から「新4番」を託された若虎が一発で試合をひっくり返し、阪神が2年ぶりの開幕2連勝を飾った。

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 開幕前に森下は二つのプレゼントで両親に恩返しをしていた。年末から横浜の実家に帰省したが「ほとんど家にいなかったです」と父・善文さん。年明けは3日から始動し、練習漬けの忙しい日々を送っていた。その中でもある約束を果たしていた。

 昨年、「家の中をきれいにしたりとか。前、行った時はお風呂がぼろぼろだったので」と計画を練っていた森下。この帰省中にお風呂とトイレのリフォームをプレゼントしたという。

 「私たちのしたいように『任せるよ』という感じだったんですけど。『シャワーヘッドはミストにした方がいいよ』と言ってくれました」と善文さん。先日工事が終了し、「ありがたいです。使い心地はめちゃくちゃいい。トイレも自動でふたが開いたりするし、お風呂もきれいになって機能も全然違う」と喜んだ。

 もう一つのプレゼントを贈ったのは3月。東京ドームで行われたカブス戦とドジャース戦に招待し、カブス戦はエキサイトシートを手配した。実は善文さんは森下が幼い頃、メジャー流のスイングを指導。「メジャーリーガー見られてうれしかったです」と笑い、「翔太はカブス戦で打球速度が1番だったと聞いて、『すごいな』と思いました」と目を細めた。シーズンでも、4番として活躍する姿で恩返ししていく。(デイリースポーツ・山村菜々子)