「広島2-3阪神」(29日、マツダスタジアム) 開幕戦を快勝し、さぁ連勝という雰囲気に暗雲が垂れこめていた。阪神は四回に先制を許し、相手先発の床田からは四回までわずか1安打。このままズルズルといきかねない展開を、前川と木浪が振り払った。 …
「広島2-3阪神」(29日、マツダスタジアム)
開幕戦を快勝し、さぁ連勝という雰囲気に暗雲が垂れこめていた。阪神は四回に先制を許し、相手先発の床田からは四回までわずか1安打。このままズルズルといきかねない展開を、前川と木浪が振り払った。
1点を先制された直後の五回1死。前川が反撃の口火を切った。1ボールから外角のカットボールを右翼線へ。「反応でうまく拾えた感じで打った。次につながるんじゃないかなと思います」。初対戦の左腕から鮮やかなチャンスメーク。二塁上ではカモメポーズで笑った。
2死二塁となり、打席には木浪。144キロの直球をはじき返し、二遊間を破った。基本に忠実なセンター返し。「とにかく、つなぐ意識が強かった。右京も走ってくれたんで良かったです」。中堅の秋山から好返球が飛んできたが、前川はヘッドスライディングで一時は同点となるホームをもぎ取った。
木浪は三回無死一塁で犠打失敗。開幕戦でも安打は出ていなかった。挽回のチャンス。決して、打撃の感覚が悪いわけではなかった。「しっかり準備をして臨んでいた。ああいう好機で一本打てたのはデカかった」。チームも自身も気分を乗せる一打。僅差の試合展開だけに、鍵を握った。
開幕からの連勝に前川の貢献も忘れてはいけない。開幕戦ではダメ押しの適時打。この日は打って、走って、八回2死一塁ではマルチ安打も記録した。「あのまま1本で終わらずに、2本目が出たのは明日につながると思います」。開幕日の昼食には縁起物のタイと赤飯を頬張り、「お願いします」と一礼。この2日間は効果てきめんだ。
森下の一発も、中継ぎ陣の奮闘も大きかった。それでも、五回のような流れを変える攻撃も試合展開を左右する。木浪は言った。「全員で守って勝てていると思うので、自分も集中して守っていきたい」。全員野球で開幕3連勝へと突っ走る。