「西武2-3日本ハム」(29日、ベルーナドーム) タクトがこの日もさえた。考え抜いたオーダーを配し、勝負どころではゲキを飛ばす。就任4年目で初の開幕2連勝。順調かと問われた日本ハム・新庄監督は「2連勝で順調じゃなかったらヤバいでしょ!」と…

 「西武2-3日本ハム」(29日、ベルーナドーム)

 タクトがこの日もさえた。考え抜いたオーダーを配し、勝負どころではゲキを飛ばす。就任4年目で初の開幕2連勝。順調かと問われた日本ハム・新庄監督は「2連勝で順調じゃなかったらヤバいでしょ!」と上機嫌で即答した。

 開幕戦の6番から1番に変わった万波が、試合開始直後の初球を左翼フェンス直撃の二塁打。暴投で三進後に清宮幸の二ゴロであっさり先制点を奪った。万波はさらにヒットを重ねて3安打。当たりが出ていなかった中で「内容とかを見て、僕の感覚で万波くんを1番にするタイミングがある」という将の狙いがピタリとハマった。

 八回に同点とされてなお2死一、二塁の場面では、投手交代の際に自らマウンドへ。六回に失点を招く送球ミスを犯していた清宮にカイロを手渡して野手陣の空気を和ませると同時にひと声かけた。「『僅差の時ほど、ボール飛んで来いっていう意識を持ちなさい』って。『俺も試合出てーよ』って言ったら笑ってました。いいプレーをしたら自信にもなるし、みんなから喜ばれる。そこを楽しみなさいっていう感じ」。重圧を取り除き、ピンチ脱出につなげた。

 延長十回は2死からの3連打で決勝点。再三の好守を見せていた上川畑が最後は中前適時打で決めた。接戦を制しての連勝にも、新庄監督は「もう慣れてるかな」と選手に信頼を寄せる。球団として開幕2戦2勝は12年以来13年ぶり。3タテ発進へ「もちろんそれは143勝したいですよ」と貪欲さをのぞかせた。

 3戦目のスタメンはパワー型か、スピード型か、はたまたミックスか。「明日は…部屋に帰って、メロンパン食べながら考えます」と笑わせた指揮官。厚みを増した戦力に変幻自在の采配で、一気にスタートダッシュをかける。