ベッツは1号ソロ&サヨナラ2号、10キロ近く激ヤセもベスト体重まであと4.5キロ【MLB】ドジャース 8ー5 タイガース(日本時間29日・ロサンゼルス) 笑顔ひとつ見せることはなかった。ドジャースのチャンピオンリング贈呈式が行われた一戦で延…
ベッツは1号ソロ&サヨナラ2号、10キロ近く激ヤセもベスト体重まであと4.5キロ
【MLB】ドジャース 8ー5 タイガース(日本時間29日・ロサンゼルス)
笑顔ひとつ見せることはなかった。ドジャースのチャンピオンリング贈呈式が行われた一戦で延長10回サヨナラ勝ち。ドラマのような結末にも、シャワー上がりのムーキー・ベッツ内野手に浮かれた様子は全くなかった。自らに言い聞かせるように切り出した。
「単なる1勝だ。リングセレモニーだけでも特別な夜ではあるが、1勝は1勝だと思う」
獅子奮迅の躍動だ。2-2で迎えた8回に一時勝ち越し1号ソロを叩き込むと、2点差を追いついた延長10回にサヨナラ2号3ランを左翼席へ放り込んだ。ガッツポーズと雄叫びを繰り返しながらのダイヤモンド一周。生還後には同僚から冷たいウォーターシャワーも浴びた。開幕4連勝から18分後に行われた囲み取材。記者たちは威勢のいいコメントを引き出そうとしたが、ヒーローの回答は実に淡々としたものだった。
「ええと……去年の韓国(シリーズ後)と変わらないね。同じような状況だ。リング贈呈式はないかもしれないから、その部分では本当に(今日は)素晴らしい。でも、野球することは同じだ」
ベッツ自身も苦難を乗り越えた。アリゾナキャンプ終盤に体調不良に陥り、食べては嘔吐を繰り返すように。79キロあった体重は10キロ近く激減し、18、19日の東京シリーズ2試合を欠場して早期帰国。27日(同28日)の米国開幕戦の出場も絶望視されるほどだった。
「体重の割には、まだまだ体力はあるんだ。でも体重を増やすことができれば、体力も増えるものだから。今は160ポンド(約72.6キロ)の本塁打を打って楽しんでいるよ」
現在は体重165ポンド(約74.8キロ)まで回復。ブリアンナ夫人の愛妻料理を胃袋に詰め込み、試合に臨んでいるという。
「あと7~8ポンド(約3.2キロ~約3.6キロ)くらい増やす必要があるね。そうすれば僕にとっても役に立つし、理想はあと10ポンド(約4.5キロ)かな。妻が料理を作ってくれて、シェフもいるから、彼らが料理を作ってくれている。試合中にも僕は食べているし、必要なことは全てやっているよ」
ロバーツ監督は「ムーキーについては言葉では言い尽くせない」と大絶賛した。ただ、すでに3つのチャンピオンリングを持つ32歳にとっては、まだ戦いが始まったばかりだ。「もう1個のリングを手にするために何でもやる」。ヒーローインタビューで声を張った。(小谷真弥 / Masaya Kotani)