第97回選抜高校野球大会は最終日の30日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝戦があり、横浜(神奈川)と智弁和歌山が対戦する。春夏合わせて37回出場の横浜が勝てば2006年春以来4回目、春夏通算43回目の智弁和歌山が勝てば1994年以…

決勝を翌日に控え、グラウンドで汗を流す横浜の選手たち=兵庫県西宮市で2025年3月29日、中川祐一撮影

 第97回選抜高校野球大会は最終日の30日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝戦があり、横浜(神奈川)と智弁和歌山が対戦する。春夏合わせて37回出場の横浜が勝てば2006年春以来4回目、春夏通算43回目の智弁和歌山が勝てば1994年以来2回目のセンバツ優勝となる。

公式戦20連勝で春も頂点なるか

 横浜は堅い守備からテンポ良く攻撃につなげる野球を目指し、盗塁や犠打など、足や小技を絡めて手堅く1点を取りに行く野球で勝ち進んできた。

 昨秋の関東地区大会では優勝し、その後の明治神宮大会も27年ぶりに制した。現在、公式戦は19連勝中で、全国制覇をかけ20連勝を狙う。

 投手陣では、今大会の全4試合で先発した本格派の右腕、織田翔希(2年)と、左腕エースの奥村頼人(らいと)(3年)の両投手がチームを引っ張る。

 打線の中心は、2回戦で3点本塁打を放った阿部葉太主将(3年)や4番の奥村投手らだ。

 阿部主将は29日、練習を終えると「チームはすごく良い状態で、あしたがすごく楽しみ。ここまで来たからには、しっかり勝ちきって、全員野球で勝利をもぎ取りたい」と話した。【矢野大輝】

2回目のセンバツ制覇なるか

 智弁和歌山は昨夏の甲子園では初戦で敗退しており、今大会には雪辱を期す思いで臨んでいる。

 「一戦ずつ重ねるにつれてチームも良くなってきている。日本一を取れるよう全員で立ち向かっていきたい」。山田希翔(まれと)主将(3年)はこの日、記者の問いかけに力強く応じた。

 打線は4試合すべてで初回に先制点を挙げ、序盤から集中打を放って圧倒してきた。準決勝では、1番打者、藤田一波(かずは)選手と4番の福元聖矢選手(いずれも3年)がそれぞれ4安打をマークするなど好調だ。

 福元選手は「横浜はこれまで以上にレベルが高い。速球派の投手にしっかり対策していきたい」と語り、意気込みを見せた。

 アルプススタンドでは、これまで智弁和歌山中学も含めた全校生徒約1000人らが声援を送ってきた。30日の決勝戦にもバス30台で駆け付ける予定という。関係者も含めると最大2800人の大応援団になりそうだ。【藤木俊治】