今オフにドジャースの一員となったキム・ヘソン。(C)Getty Images 本人にとっても容易に受け入れられる決定ではなかった。今春にドジャースのマイナー組織への降格が決まったキム・ヘソンだ。 周囲の期待は高かっただけにショックは小さくな…

 

今オフにドジャースの一員となったキム・ヘソン。(C)Getty Images

 

 本人にとっても容易に受け入れられる決定ではなかった。今春にドジャースのマイナー組織への降格が決まったキム・ヘソンだ。

 周囲の期待は高かっただけにショックは小さくなかった。

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 今オフにKBO(韓国プロ野球)リーグのキウム・ヒーローズからポスティングシステムを利用したキム・ヘソンは、28、29年に球団オプションが付帯する3年総額1250万ドル(約19億6250万円)の契約を締結。レッズに移籍したギャビン・ラックスの後釜として、正二塁手としての定位置確保の活躍が注目された。

 しかし、春先からメジャーリーグの壁にぶつかる。平均球速がKBOリーグよりも5キロも早いとされるMLBの投手たちに苦戦し、打撃フォームを改造。その影響もあって、オープン戦では打率.207、1本塁打、OPS.613、出塁率.303と自慢の巧打力を発揮しきれず。米球界定着の意味もかねて球団首脳陣は、開幕を3Aで迎えさせる決断をした。

 結果を残せなければ、落とされる。これは競争社会の宿命ではあるものの、やはりマイナー降格は複雑だ。現地時間3月25日に韓国のYouTubeチャンネル『Sumtimes』のインタビューに登場したキム・ヘソンは「毎日夕食を買って食べないといけないのが、一番しんどかった」と苦笑いを浮かべて本音を吐露。その上でマイナー行きを命じられた際の胸中を打ち明けている。

「もちろん、行きたくはないし、行かないことを願っていました……。でも、正直なところ、行くこともあるだろうなとは思っていたので、それほど失望感はなかったですね。願っていたわけではないですけど、プランの中にありましたから」

 すべてが未知となった新天地でのキャンプ。その中で打撃フォームの改造という新たな取り組みにも着手したキム・ヘソンは、「前の打撃フォームに戻したいと思うことは良くある。あるんですけどね……」とポツり。ただ、折れているわけではない。今は腹を据えて己の進化に向き合っている。

「前のフォームに戻したとしても、打てるという保証はない。これからも僕は野球を続けなきゃいけないし、少なくとも今はアメリカで野球ができる場所があるので、より良い方向に行くために粘り強くやらないといけない」

 もっとも、今季中に昇格する希望がないわけではない。アメリカでの開幕を迎えているドジャースは、キケ・ヘルナンデスが胃腸炎によって離脱。さらにいぶし銀のクリス・テイラーが不振によって成績が低迷。ユーティリティープレーヤーが必要となる可能性は高まっている。

 果たして、26歳に吉報は舞い込むのか。「確実に野球のレベルが高い」と語る名手は、その時に向けて過酷なマイナーで牙を研ぐ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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