こんにちは、“走る”フリーライターの三河です! 書店に足を運ぶと、ランニングに関する本が驚くほどたくさん並んでいます。しかしウルトラマラソンに絞って考えたとき、バイブルと言えるような本は少ないかもしれません。競技人口が増えつつあるとはいえ…

 こんにちは、“走る”フリーライターの三河です!

 書店に足を運ぶと、ランニングに関する本が驚くほどたくさん並んでいます。しかしウルトラマラソンに絞って考えたとき、バイブルと言えるような本は少ないかもしれません。競技人口が増えつつあるとはいえ、まだまだフルマラソンなどに比べるとメジャーとは言えないウルトラマラソン。とはいえランナーの中には、「ウルトラマラソンに挑戦してみたい」という方が少なくないはずです。

 私がウルトラマラソンに挑戦した当初は、やはり参考にできるような本は少なく、独学でのトレーニングばかりでした。結果的には完走、現在もたくさん大会に出ていますが、やはり導入として読めるバイブルがあるのは心強いはずです。そこで今回はウルトラマラソンへのチャレンジャーに向けて、『完全攻略 ウルトラマラソン練習帳』という本をご紹介します。

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“マラソン”ではなく“ウルトラマラソン”という種目を学ぶ

 ハーフマラソンやフルマラソン、あるいは10kmなどの距離まで、ときとして“マラソン”という一括りの中で語られることがあります。確かに走るという行為は同じですが、私の実感として、距離が異なれば別の競技と言ってもよいほど勝手が違うもの。100kmを中心とした超長距離のウルトラマラソンとなればひとしおでしょう。だからこそ私の周囲でも、フルマラソンの延長としてウルトラマラソンに挑戦した結果、「こんなはずではなかった」と完走を逃すランナーが少なくありません。

 本書では全体を通して、ウルトラマラソンを1つの競技として捉えている印象です。つまりマラソン全般としてのノウハウではなく、あくまで「ウルトラマラソン」を走るための知識が詰め込まれているということ。目標タイムの設定やトレーニングの組み立て方、あるいは練習実践に至るまで、基本から細かく、かつ分かりやすく解説されています。

 ただし「ウルトラマラソンとは?」という初心者の人ではなく、競技特性などについてある程度の理解を持った人向け。後述しますが、本書は実践的トレーニングにフォーカスした内容のため、実際にトレーニングを開始する段階で読むと良いでしょう。

書き込み式で学び、練習メニューを組み立てていく

 本書は、単純にウルトラマラソン完走に向けたノウハウのみが書かれているわけではありません。“練習帳”というタイトルの通り、練習メニューについて詳しく解説されています。特徴的なのが、書き込み式で自身のトレーニングを確認できる項目。フルマラソンの記録を目安にしつつ、レベル別に著者である岩本能史さんの提案する練習メニューが週単位で記載されています。

 読者はそれに沿ってトレーニングを実践し、走行距離を含めた練習結果、またメモとして気付きなどを記載していくという流れ。ただ闇雲に距離を積むのではなく、実力に合った計画的トレーニングを行うことで、着実にウルトラマラソンのための走力が磨かれていくことでしょう。さらに練習メニューには、週毎のトレーニング目的や注意点なども。これらを頭に入れながら取り組めば、やがて自らの知識として定着していくことができるはずです。

レース本番まで手元に置いておきたいバイブル書籍

 計画的にトレーニングを行えば、あとはレース本番を迎えるのみ。本著にはレース中の補給、あるいは前日の過ごし方といった部分まで、経験を元にしたノウハウが詰まっています。例えば初めてのウルトラマラソンで不安になったとき、状況に合ったページを読み返してみる。単身挑むウルトラマラソンでも、コーチがついているような安心感が得られるでしょう。本著に沿ってトレーニングをしっかり行えば、その感覚はより一層増すはずです。

 ウルトラマラソンには、フルマラソンとは違った喜びや感動、世界が広がっています。しかしフルマラソンを完走できたからといって、必ずしも走破できるような壁ではないでしょう。ウルトラマラソンに挑戦したいけど、何から始めれば良いか分からない。あるいは、練習メニューを組み立てるだけの知識がないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

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<Text:三河賢文/Photo:Getty Images>

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