<春季愛知県大会西三河地区決勝トーナメント1回戦:安城 4―1 刈谷>27日◇刈谷球場8つのゾーンで一次トーナメントが行われた西三河地区。その1位校の8校が集結して決勝トーナメントが争われる。 西三河地区の1位校として県大会のシードも取りた…
<春季愛知県大会西三河地区決勝トーナメント1回戦:安城 4―1 刈谷>27日◇刈谷球場
8つのゾーンで一次トーナメントが行われた西三河地区。その1位校の8校が集結して決勝トーナメントが争われる。
西三河地区の1位校として県大会のシードも取りたいところである。
昨秋の西三河ベスト4の刈谷は、この春は高浜、岡崎工科を下しての進出。一方、昨秋5位の安城は豊田北、安城学園を下しての決勝トーナメントである。ともに安定した力があるので、好試合が期待された。
安城は「西三河の暴れん坊」とも「何をしてくるかわからないクセ者」とも言われる存在でもある。昨年は春、秋ベスト16入りしている。一次予選のBゾーントーナメントで1位となり、県大会進出を決めた段階で、その仕掛人でもあった加藤友嗣監督が、この春からの異動に伴い、この決勝トーナメントから原田恭也監督に交代した。それでも、原田監督は部長として加藤前監督の野球を支えてきただけあって、安城の持ち味となっていた、「何を仕掛けてくるかわからないぞ」という野球は健在だった。
初回、安城は先頭の鴨下 璃人選手(3年)の安打から始まり、チャンスメイクしてスクイズで先制。さらに3回には一死から四球後、2番東條 匠真選手(3年)以下の3連打に捕逸も絡んで2点を追加して3対0とした。
その裏、刈谷も1番毛受 慶将選手(2年)の三塁打とボークで1点を返す。しかし、安城の先発中道 惟世投手(3年)は、それで動揺することもなく、以降はしっかりと抑えていく。そして、お互いの守り合というか、しのぎ合いというか、そんな展開になっていく中で8回に安城は四球の走者が盗塁を決めると、右飛で三塁へ進塁を狙うとその送球がそれて、幸運な4点目が入ったが、これが展開としても大きかった。
結局、中道投手は当初の予定通りに完投したが、被安打6の1失点は見事な内容だったと言ってもいいであろう。
原田監督は「攻撃でも、守りでも、常に打順を意識しました。攻撃の時は、いい打順の流れを作り、守りの時は、相手の打順を途切れさすということを意識していました。野球としては、悪送球を誘発していく野球もありですから、それも意識しています」と、しかっかりとクセ者野球は浸透していた。
加藤前監督の異動によって、西三河地区では、さらに群雄割拠というか、多くのチームのしのぎの削り合いとなっていきそうな雰囲気となっていきそうだ。
刈谷の森藤秀幸監督は「相手投手の術中にハマって打たされてしまったというところはありました。チーム事情を言うと、主力がケガで欠場していて、飛車角ぬきみたいな状態にもなっていましたが、言い訳にはなりません。何とか決勝までは行きたかったんだけれども…」と悔いていた。それでも「メンバーとしては、2年生が多いチームなので、伸びしろとしては十分に期待しています」と、夏へ向けてはさらなる飛躍を期待していた。