プロ野球の開幕まで目前に迫っている。3月23日に終了したオープン戦では日本ハムが勝率1位となり話題となった。一方で個人成績に目を向けると中日の岡林 勇希(菰野)が打率.364(55-20)でオープン戦首位打者に輝いた。 岡林は2022年に最…

プロ野球の開幕まで目前に迫っている。3月23日に終了したオープン戦では日本ハムが勝率1位となり話題となった。一方で個人成績に目を向けると中日の岡林 勇希(菰野)が打率.364(55-20)でオープン戦首位打者に輝いた。

 岡林は2022年に最多安打のタイトルを獲得しているヒットマンだが、昨年は故障で出遅れ開幕は二軍スタート。4月下旬の一軍昇格以降も打撃で苦しみ、後半戦直後の打率は1割台だった。しかし8月以降に打ち出すと最終的には規定打席にも到達し打率.256と持ち直した。今年はオープン戦の勢いをそのままシーズンに持ち込みたいところだろう。

 さてオープン戦で首位打者に輝いた選手はどのようなシーズンを送ってきたのだろうか。2015年以降で振り返ってみたい。ただしコロナ禍の影響で開幕が遅れた2020年は除いている。

 オープン戦の勢いをシーズンにも持ち込んだ最たる例と言ってもいいのが、2015年の秋山 翔吾(西武/横浜創学館)だろう。この年の秋山はすでにレギュラーではあったものの、圧倒的な存在ではなかった。しかしシーズンでも撃ちまくりシーズン最多安打を更新する216安打を記録。打率.359(602-216)で首位打者に輝いた。まさに球界を代表する選手へと飛躍した年だった。

 それ以降では2021年の島内 宏明(楽天/星稜)が打点王、 2022年の高部 瑛斗(ロッテ/東海大甲府)が盗塁王のタイトルを獲得している。その他、2023年の栗原 陵矢(ソフトバンク/春江工)、2016年の鈴木 大地(ロッテ/桐蔭学園)など、すでにチームの主力となっていた選手がオープン戦で爆発した例もあるが、しかしシーズンで打撃タイトルを獲得するには至っていない。

 一方で2017年のシリアコ(DeNA)のように12試合の出場に留まってしまった例もある。シリアコはオープン戦の活躍が認められ開幕スタメンの座を勝ち取るも、シーズンでは結果を残せなかった。

 はたして岡林は秋山のように大爆発のシーズンを送ることができるだろうか。その打撃にシーズンでも注目だ。