角田の昇格が正式に決定した(C)Getty Images F1のレッドブルレーシングは27日、レギュラーのリアム・ローソン(ニュージーランド)に代えてレーシングブルズの角田裕毅を次戦日本GP(4月6日決勝)から起用すると発表した。【画像】角…

 

角田の昇格が正式に決定した(C)Getty Images

 

 F1のレッドブルレーシングは27日、レギュラーのリアム・ローソン(ニュージーランド)に代えてレーシングブルズの角田裕毅を次戦日本GP(4月6日決勝)から起用すると発表した。

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 チャンピオンのマックス・フェルスタッペン(オランダ)とコンビを組み、トップチームの一員として優勝争いに加わるか大いに期待される。日本人が前年に勝利を経験したチームに所属するのは1987年にロータスに加入した中嶋悟以来となる。なお、ローソンはレーシングブルズに出戻りとなる。

 F1の公式サイトによると、ローソンをわずか2戦で見切った理由について「合同テストと開幕2戦のローソンのデータを見て、非常にドライビングが難しいマシンであるとしても、彼のパフォーマンスは十分なレベルに達していないとの結論に達した。なぜマシンからスピードを引き出せないのか彼は理解できず、自信を失っていたとチームは認めた」と推察している。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「最初の2レースでリアムがRB21で苦戦しているのを見るのは辛かった。その結果、早期の交代を決定した。我々は2025年シーズンに、世界ドライバーズ選手権の防衛と世界コンストラクターズタイトルの奪還という2つの野望を抱いて臨んだが、これは純粋にスポーツ的な決断だ」と弁解した。

 レッドブルの今季型車「RB21」はフェルスタッペンを勝たせることを目的に開発されたいわゆる「ワンオフマシン」で、ドライビングスタイルが異なるドライバーにとっては操るのが難しく、最近では2019年にはレッドブルに昇格したピエール・ガスリー(フランス)がわずか12戦で降格に。後任のアレックス・アルボン(タイ)も1年と半年でチームを追われた。

 前例を踏まえると角田のシートも安泰ではない。ローソンのようにパフォーマンス不足が露呈すれば、再びローソンと交代する可能性もあり、別の有力選手にシートを奪われ、浪人生活に突入することもあり得る。少なくともレース中にフェルスタッペンの順位をキープさせるようなアシスト力を求められ、その上でできるだけ上位での入賞も果たさなければならない。

 昨季まで所属したセルジオ・ペレス(メキシコ)も翌年の残留をいったんはチームから発表されたものの、オフシーズンにほごにされた。そのため、レッドブルのセカンドドライバーのピットは「隣の呪われたガレージ」とも呼ばれており、角田がそのジンクスを打ち破るか、それとものろいの餌食に遭うか、F1パドックでもひそかにささやかれている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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