NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25ディビジョン1 第13節(交流戦)2025年3月29日(土)12:05 キューアンドエースタジアムみやぎ (宮城県)浦安D-Rocks vs 埼玉パナ…
NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第13節(交流戦)
2025年3月29日(土)12:05 キューアンドエースタジアムみやぎ (宮城県)
浦安D-Rocks vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ
埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスB)
フィジカルという言葉が似合う。埼玉パナソニックワイルドナイツのベン・ガンター選手
まさかの連敗だった。第10節まで9勝1分だった埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)は第11節から連敗。埼玉WKのリーグ戦での連敗は2005年以来19シーズンぶりという。首位も明け渡すことになったが、このまま引き下がるわけにはいかない。選手たちは気持ちを一つに第13節の浦安D-Rocks(以下、浦安DR)戦へ向かう。
埼玉WKを救うのは、日本代表のベン・ガンターだ。この2連敗をどう受け止めているのか。
「まず、リーグワン全体のレベルが上がっているのは間違いない。19シーズンぶりの連敗と聞いたが、どんなチームにもいつかはそういうときがやってくる。一昨季、昨季は苦しい局面がプレーオフトーナメントのファイナルになってしまった。いま、苦しむことは決して無駄にはならない」
この状況をポジティブに捉えてゲームへの準備を進めている。27日のトレーニングでも攻守に気迫のプレーでチームに活を入れた。練習後にはフィールドに横になってチームメートと談笑してコミュニケーションをとっている。
「チームにはリーダーがいるので戦術的な部分は任せているが、それ以外のところでムードを作っていきたい。下を向くのではなく前向きに取り組んでいかなければいけない」
チームメートたちは、ガンターについてこう口をそろえる。「仲間にすれば頼もしいが、絶対に敵にしたくない選手」。まるで“ビッグベアー”のように相手の前に立ちはだかり、懐のボールを奪い取っていく。スティールのスキルはワールドクラス。タックルで相手の動きを止めたあとに、ど太い腕を絡めて自由を奪う。「スティールのコツは秘密だが(笑)、ボールを奪い取るという気持ちが大切だ」。
オーストラリア出身。高校卒業後に軍人になる道を薦められたが、土壇場でパナソニック ワイルドナイツ(当時)からオファーを受けて来日。練習グラウンドとしていた群馬県太田市、そして現在の練習場がある埼玉県熊谷市で進化を遂げた。「チャンスをくれたクラブには感謝している」。ガンターのプレーには、ラグビーへの喜びがあふれている。昨季まではけがに苦しむことも多かったが、今季はリーグ戦12試合中11試合に先発してハードなタスクを果たす。
「リーグ戦の終盤に差し掛かったが、先を見ることなく一戦一戦に集中することが重要。浦安DR戦も簡単な試合にはならない。けが人が多い中でも一つになって戦うことで結果が付いてくる。ビジターゲーム3連戦の最後で勝って、良い形で熊谷に戻ってくる」。ガンターがチームに再びモメンタムを生み出していく。
(伊藤寿学)