◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル) 双子の絆で大一番に挑む。高松宮記念に出走するキタノエクスプレスは、主戦の国分優が先月23日の京都1Rで右足を負傷し、休養を余儀なくされたことから、双子の弟でもある国分…
◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル)
双子の絆で大一番に挑む。高松宮記念に出走するキタノエクスプレスは、主戦の国分優が先月23日の京都1Rで右足を負傷し、休養を余儀なくされたことから、双子の弟でもある国分恭に白羽の矢が立った。坂口調教師は「タイプ的に合いそうなので」と自身が決めたことを明かし、恭介も「優作が大事にしている馬なので、変な競馬はしたくない」と気を引き締める。
先週、今週と追い切りに騎乗した恭介は「気が細かいところがあります。追い切りでは怖がりな面は見せませんが、ゴチャつくとひるむそうで、優作からも『リズムをつくって大外に出せれば』とアドバイスをもらいました」とイメージを膨らませる。リハビリ中の優作も「今からでも乗りたいぐらいですが(笑)、恭介だから伝えられることがあります。どうせなら勝ってほしい」と複雑な表情を見せながらも弟が乗ることを喜び、当日は中京競馬場でエールを送る。
恭介は「(18年の)函館でキタノユーリンで勝たせてもらったんですよね」と、坂口師の父で坂口正則元調教師が管理したキタノエクスプレスの半姉を引き合いに出し、オーナーサイドにも感謝。「優作が乗れないのは相当悔しいと思います。任せていただいたからには恥ずかしい姿は見せられません。G1なんてなかなか乗れませんし、関係者にも優作にも感謝しています。いい結果を出して、(優作に)プレゼントでも買ってあげたいですね」。不思議な縁も感じながら、大仕事をするつもりだ。(玉木 宏征)
◆乗り替わりメモ 19年の高松宮記念では、前走(シルクロードS)で恭介が騎乗したティーハーフに優作が騎乗し、5着。ただ、恭介はシルクロードSがテン乗りで、それまでは優作が主戦を務めていた。
◆国分 恭介(こくぶん・きょうすけ)1990年12月27日、茨城県生まれ。34歳。09年3月7日に阪神でデビュー。同年4月25日に初勝利。JRA通算318勝。10年の府中牝馬S(テイエムオーロラ)など重賞4勝。166センチ、52キロ。血液型O。同期は松山、国分優、丸山、小野寺。好きなお酒はビール。