昨季はパ・リーグ全球団が90犠打以上を記録 自らを犠牲に得点圏へ走者を送る「送りバント」は、いつの時代においても日本球界で重視される戦略であり続けている。昨季のパ・リーグでは全てのチームが年間90個以上の犠打を記録した。今回は、2024年の…
昨季はパ・リーグ全球団が90犠打以上を記録
自らを犠牲に得点圏へ走者を送る「送りバント」は、いつの時代においても日本球界で重視される戦略であり続けている。昨季のパ・リーグでは全てのチームが年間90個以上の犠打を記録した。今回は、2024年のパ・リーグ各球団において、チーム内で上位に入る犠打数を記録した選手を紹介する。
楽天はリーグ最多の126個の犠打を記録し、バントを多用した堅実な戦術が特徴。小深田大翔内野手がリーグトップタイの25犠打、太田光捕手と村林一輝内野手も23犠打と続いた。注目すべきは犠打上位5人中3人が規定打席到達者だった。石原彪内野手も13犠打を記録し、チーム全体でバントを重視する方針が明確に表れていた。
ソフトバンクは今宮健太内野手がリーグトップタイの25犠打を記録。2桁犠打選手が5人存在した。打率・本塁打・得点でリーグトップの強力打線でありながら、つなぎの役割をしっかり果たす選手が多数存在した点が特徴だ。20本塁打を放った栗原陵矢内野手も含め、状況に応じて犠打を選択する柔軟性がチーム力の高さを示している。
日本ハムはリーグ2位の115個の犠打を記録。新庄剛志監督の「意表を突く野球」が浸透していた。11個以上の犠打を記録した選手が5人いる一方、規定打席到達者は松本剛外野手のみという特徴がある。特筆すべきは62試合という限られた出場機会で12犠打を記録した伏見寅威捕手の存在か。主力選手も多くの犠打を記録し、与えられた役割をしっかり果たす選手層の厚さがチームの躍進を支えている。
西武はチーム安打数がリーグ唯一1000本未満、総得点もリーグ最下位と打線が苦戦する中、源田壮亮内野手が全143試合出場でチームトップの打率.264と20犠打を記録。古賀悠斗捕手も主力として105試合に出場しつつ13犠打を挙げた。炭谷銀仁朗捕手と滝澤夏央内野手も限られた機会で2桁犠打を記録した。
ロッテは小川龍成内野手が20犠打、友杉篤輝内野手が19犠打と多くの犠打を記録。三塁手の中村奨吾内野手が11犠打など、内野陣の主力選手が積極的にバントを行う傾向が見られた。
オリックスはリーグ最少の92犠打。2桁犠打を挙げた選手もわずか2人だった。打率.201と打撃で苦しんだ若月健矢捕手が直近5年間で最多となる19犠打を記録し、宗佑磨内野手も11犠打と続いた。チーム全体としてはバントよりも自由な打撃を重視する方針が明確だが、主力選手の故障もあり、若月選手らがこれまでと異なる役割で貢献した様子がうかがえた。2025年シーズンもいよいよ開幕。今季はどんな“職人”が現れるのか注目だ。(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)