今週は中京競馬場で、第55回高松宮記念(GI、芝1200m)が行われる。ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。◆【高松宮記念2025予想/穴馬アナライズvol.2】不振の前走ローテ組から狙える「6分の5」の好走例 前…

今週は中京競馬場で、第55回高松宮記念(GI、芝1200m)が行われる。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。

◆【高松宮記念2025予想/穴馬アナライズvol.2】不振の前走ローテ組から狙える「6分の5」の好走例 前を狙うなら前売り“10人気”前後の爆穴を指名

■高松宮記念2025 出走予定馬全頭診断

・ウイングレイテスト

内枠から絶好の展開で運んだ前走だが、勝ち馬ママコチャとは0秒4差。さらなるメンバー強化のここでは厳しいだろう。

・エイシンフェンサー

人気薄での勝利が続く近2走。実力と見るべきか、フロックと捉えるべきか……難しいところだが、前走のような道悪の成績【1-1-2-0】を見るより、馬場適性がマッチしたとの見方が妥当か。良馬場想定の日曜中京で三度の激走へのハードルは高い。

・オフトレイル

出走すれば常に上がり3F上位の脚を使う切れモノ。今年は有力馬に先行脚質が多く、それぞれが意識しあって前がかりの展開を生む可能性あり。となれば同馬の末脚炸裂は頭の片隅に入れておきたいところだ。

・カンチェンジュンガ

前走阪急杯の勝ち時計は、同条件で施行された昨年の阪神カップとの比較で1秒6劣るもの。GIのメンバーで前がパタリと止まることは考えにくく、連続好走は至難の業か。

・キタノエクスプレス

7歳で迎える初のGIレース。ローカルのオープン特別から飛び級での参戦となると、さすがに分が悪い印象だ。

・サトノレーヴ

スプリント路線に現れた新星として期待を集めた昨年。夏競馬連戦後のスプリンターズSこそ馬券外も、前走香港スプリントは世界の強豪相手に3着と気を吐いた。ダノンスマッシュ、ファストフォース、キルロードなど中京芝1200m重賞はロードカナロア産駒の庭。中2カ月以上の休み明けローテかつ芝1200mでは【3-1-1-0】と大崩れがなく、J.モレイラ騎乗も含めて軽くは扱えない。

・スズハローム

近4走で先着を許した馬が多数出走するメンバー構成。ここは厳しい戦いが予想される。

・トウシンマカオ

これまで7勝を挙げている馬だが、そのうち5勝が自身の上がり3F34秒0以内。馬番フタ桁番での5勝も含め、好走条件の偏りが目立つ馬だ。そのレンジから外れた過去2戦の高松宮記念は致し方ない結果。馬場次第で評価を変えたい1頭だ。

・トゥラヴェスーラ

2年前の3着馬だが、近2走は非GIレースで掲示板外続き。変わり身は望み薄か。

・ドロップオブライト

リステッド競走でも掲示板外に敗れてしまっている現状。厳しい。

・ナムラクレア

2歳夏から重賞戦線で活躍するタフな馬。前走は1400m替わりだったが、牡馬相手に完勝といまだ能力は衰え知らずだ。2年連続2着のレースで悲願のGIタイトル奪取といきたいところだが、近走は4角12番手以下とテンにいけていないのは気がかり。過去10年の高松宮記念において、前走4角10番手以下から勝利した馬は【0-0-0-6】。差し損ねの可能性は考えておきたい。

・バルサムノート

2走前2着時と同じ条件だが、当時はリステッド競走かつ前残りの恩恵を受けた一戦。ここでの強調材料は乏しい。

・ビッグシーザー

連勝の近走から本格化を期待したいところだが、上がり3Fやその勝ち方など、目に見えるインパクトは乏しい印象。立ち回りの上手さだけで勝ち切れるレース・相手ではなく、前哨戦を使われて臨む馬や海外GIからのぶっつけ本番組との比較で見劣りする感は否めない。

・ペアポルックス

ママコチャにねじ伏せられた前走だが、4角先頭で見せ場たっぷりの2着。重賞でも十分に戦えることを示した。良馬場では【3-4-1-0】と大崩れがない馬。馬場コンディション次第で浮上の余地はある。

・マッドクール

昨年の本レース勝ち馬。当時は道悪での施行かつ、惨敗後のレースでマークが薄くなったことが押し切りにつながった印象だ。揉まれない競馬が絶対条件で、希望は逃げもしくは馬番フタ桁番からプレッシャーを受けない形での先行。評価基準は枠の並び次第か。

・ママコチャ

休み明けの前走オーシャンSを制して臨む馬。本番への叩き台の向きもあったと思うが、事もなげに勝ち切ったあたり当時のメンバーでは格が違ったのだろう。叩き2戦目は【4-0-0-1】掲示板外なし。年明け初戦だった昨年との比較でローテーションは良く、軽視禁物だ。

・モズメイメイ

フタ桁着順が目立ってしまっている近走。厳しい。

・ルガル

人馬ともに悲願のGI初制覇を成し遂げた昨年のスプリンターズS。600m通過32秒1の激流を4角3番手から押し切った内容は強いものだった。過去10年の高松宮記念において、前走香港スプリントかつ前年にGI連対歴あり該当馬は【2-0-1-1】。巻き返しを警戒したい。

◆【高松宮記念2025予想/危険な人気馬】春秋スプリントGI制覇の条件満たせず「消し」 一瞬の“旬”を逃し「0.1.0.22」最悪データも該当

◆【高松宮記念2025予想/高配当メソッド】1人気「1.1.1.7」と3年間隔で“百万馬券”の大波乱 穴馬盲点は血統にあり

◆【高松宮記念2025予想/穴馬アナライズvol.1】前年「押せ押せローテ&道悪」から条件ガラリ好転 コース相性も後押しの単勝“8人気”前後をプッシュ

UMAJIN.netより一部編集・転載(2025年3月27日 18:00公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。