アマチュアボクシング8冠の荒竹一真(22)=駒大=が27日、大橋ジムとプロ契約を締結したことを発表した。横浜市の同ジムで会見した荒竹は「3年以内に世界チャンピオンになりたい。複数階級制覇や統一王者など、本当に価値のある世界チャンピオンにな…

 アマチュアボクシング8冠の荒竹一真(22)=駒大=が27日、大橋ジムとプロ契約を締結したことを発表した。横浜市の同ジムで会見した荒竹は「3年以内に世界チャンピオンになりたい。複数階級制覇や統一王者など、本当に価値のある世界チャンピオンになって、いつか大橋ジムを背負えるような大きい選手になりたい」と抱負を語った。4月10日にミニマム級でB級プロテストを受験し、5月28日に横浜BUNTAIで6回戦デビューする予定。

 荒竹は2002年11月22日、鹿児島県生まれ。小学5年でボクシングを始めた。鹿屋工高時代に、コロナ禍で中止となった3大会を除くすべての大会を制し高校5冠を達成。23年全日本選手権など、高校、大学で出場した国内主要7大会すべてで優勝。日本代表としても21年、23年の世界選手権で5位、24年エロルダ杯で日本人初優勝などの実績を残した。23年IBAアマチュアボクシング世界ランキングは3位。身長160センチのサウスポー(利き腕は右)で、アマチュア戦績は65戦58勝(11RSC)7敗。

 中学時代はボクシングのスタミナ強化も見据え、陸上部に所属。駅伝のアンカーとして鹿児島県大会で優勝し、全国中学駅伝にも出場した。自身のアピールポイントについて「自分の中では短いラウンドよりも長いラウンドの方が得意。スタミナとスピードが自分の武器。アマチュア時代は国際大会も数多く出させていただいたので、日本人の強みや、海外の選手との戦い方も分かっていると思う」と話した。

 大橋秀行会長(60)は「今は世界王者がたくさんいる。ミニマム級にこだわらず、複数階級制覇や、王座統一をしていかなきゃいけない流れだと思うので、そこまで行ってもらいたい」と新たな世界王者候補に期待を寄せた。

 元プロボクサーで24年パリ五輪日本代表コーチも務めたトレーナーの父・荒竹俊也さん(50)は「アマチュアでしっかり頑張ってきたので、注目されていると思うが、プロ入りしたからにはプロとして活躍して、注目してもらえる選手になっていってもらいたい」と話した。

 鹿児島出身者として初めてのプロボクシング男子世界王者となることも、大きな目標の一つだ。「地元の鹿屋市の方からいつも応援していただいてる。そういった方たちに恩返しをしながら、自分が鹿児島県、鹿屋市をもっと盛り上げていけるように、鹿児島の皆さんと一緒に頑張りたいと思っています」と荒竹。名門ジムからまた一人、世界へ羽ばたく超新星が誕生した。