(26日、第97回選抜高校野球大会準々決勝 横浜5―1西日本短大付) 優勝候補の横浜相手に、五回を終わって1―1。「予…
(26日、第97回選抜高校野球大会準々決勝 横浜5―1西日本短大付)
優勝候補の横浜相手に、五回を終わって1―1。「予想以上の展開。このままいければ」。三塁を守る小川耕平主将(3年)は感じていた。
しかし、六回裏1死からの連続適時打で2点差とされると、すかさず「T」の文字を腕でつくり、塁審にタイムを要求。マウンドに駆け寄り、「まだ取り返せる点差。一つひとつアウトを取っていこう」と、甲子園初登板の原綾汰投手(3年)を励ました。
強打や俊足の選手がそろうチームを一歩引いて支えてきた。「野球は自分よりうまい選手がいるので、掃除やあいさつで引っ張っています」
■紅白戦で「4番」でも「8番」の役割
もちろんプレーでも貢献する。紅白戦で4番打者になっても、8番を打つ普段通りの進塁打を心がけ、バント安打も試みる。出塁すれば、外野の守備位置を指先確認。三塁の守備では速い打球を体にあてて止め、投手がストライクを奪えば、大きな声でもり立てる。
自他共に認める「地味」な主将だが、西村慎太郎監督は、そんな「脇役」に徹する姿勢を評価し、主将に指名した。「冷静に周囲を見ることができる。自己主張の強い選手が多い中、彼がいないとチームが機能しないかも」と評する。
新チームになり、昨秋の九州大会で4強入り。「選抜出場有力」とされたが、準決勝で沖縄尚学にコールド負け。悔しさから、チームは冬の練習に熱が入った。「名物」は毎日の練習初めの「100メートル100本の全力走」。20本で休憩が入り、計1時間ほど続く。
「しんどいけど精神的にも強くなり、試合終盤の粘りにつながる」
迎えた今大会。安打や四球で出塁し、押し出し死球で1点をもぎ取ったほか、守備でも三塁線の鋭い打球を横っ跳びで好捕し、ピンチの拡大を防ぐなど、持ち味を発揮してきた。
■夏は日本一目指す「練習、あるのみ」
この日は安打は出なかったが、第1打席で3球三振となった直後、相手捕手のマスクを拾い上げ、すっと手渡した。
「礼儀は大事にしているので。それに(良いことをすれば)試合の流れを持ってくることができるかもしれない」。準々決勝の緊張感の中でも、主将として普段通りの振る舞いを貫いた。
「横浜は強かった。全国レベルが分かったので、夏に甲子園に帰ってきて日本一になる。練習、あるのみです」(波多野大介)