国内女子プロゴルフツアーの今季第3戦、アクサレディスは28日から3日間、宮崎・UMKCC(6538ヤード、パー72)で行われる。昨年、4度目の受験でプロテストに合格し、プロデビュー戦に挑む注目ルーキー・都玲華(21)=大東建託=がスポーツ…

 国内女子プロゴルフツアーの今季第3戦、アクサレディスは28日から3日間、宮崎・UMKCC(6538ヤード、パー72)で行われる。昨年、4度目の受験でプロテストに合格し、プロデビュー戦に挑む注目ルーキー・都玲華(21)=大東建託=がスポーツ報知のインタビューに応じ、大好きな歌手・長渕剛(68)の楽曲をパワーに変え「新人賞と1勝」を1年目の目標に掲げた。(取材・構成=星野 浩司)

 キュートな笑顔が魅力の注目ルーキー、都がいよいよプロデビュー戦を迎える。

 「ワクワクです! プロとして初戦なので、思い切ってプレーしたい。ドライバーが曲がらないこと、ショートアイアンでピン横にビタっとつけるのは自分の武器なので見てほしい。今年は新人賞と1勝を目指したい」

 国内男子ツアー歴代最多94勝の尾崎将司(78)、女子ツアー通算20勝の鈴木愛(30)ら男女の名ゴルファーを輩出してきた徳島県で生まれ、8歳でゴルフを始めた。生光学園高時代は競技をやめたい時期もあった。

 「ゴルフがつまらなくて、高校の友達と楽しい生活がしたい気持ちが強かった。キャビンアテンダントやペットショップ店員になりたいと本気で言っていて、高校の監督も頭を抱えていた。その気持ちの割に、(19年四国ジュニア選手権優勝など)成績はよくて矛盾もあった」

 プロを志す決め手の1つは父・英樹さん(54)の言葉だった。

 「父に『プロになれる人はひと握り。チャンスがあるなら頑張ったら?』と言われた。高3の春、行きたい大学や仕事もないし、自分にはゴルフしかないかな、と。やめなくてよかった。今は生まれ変わってもゴルフがしたいくらい大好き」

 プロテストは初挑戦の21年は第4腰椎疲労骨折で途中棄権。昨年、4度目の挑戦でついに合格した。

 「今までで一番緊張せずに挑めた。めっちゃ寝て、食べて、キャッキャ笑って、鼻歌を歌いながらラウンドした。やっと合格できて、迷惑をかけてきた方も多いので恩返ししたい」

 今オフはタイで合宿を行い、ショートゲームとコースマネジメントを磨いてきた。ドライバーやアイアンなどギアも一新。米ツアー2勝の竹田麗央(21)や国内5勝の川崎春花(21)ら同じ03年度生まれの「ダイヤモンド世代」のライバルに負けない活躍を誓う。

 「皆、先にプロで頑張っていて追いつき、追い越せで頑張る。麗央ちゃんは私が米ツアーに行かないと会えない。いつか日本で一番になって海外に行きたい」

 意外な推し歌手の長渕にも大きなパワーをもらっている。

 「めっちゃ好き! コーチの車で流れてて聴き始めた。好きな曲は『しゃぼん玉』と『とんぼ』。歌詞もめっちゃいいし、勇気と元気をもらえる。お風呂場やプロテストでも鼻歌したし、ピンチの時によく歌う。優勝したら? それは恥ずかしいけど、歌いたいですね」

 今季もダイヤモンド世代がゴルフ界を盛り上げていく。

 ◆都 玲華(みやこ・れいか)2004年2月18日、徳島市出身。21歳。8歳の時に父・英樹さんの影響でゴルフを始める。小学校時代は水泳、サッカーも。徳島・生光学園高卒。24年4月に下部ツアーの大王海運レディスでアマチュア優勝。同年11月に4度目挑戦でプロテスト合格。ドライバーの平均飛距離250ヤード。好きな食べ物はチョコ、焼き鳥。167センチ、60キロ。血液型AB。家族は両親と弟、妹。愛犬「ココ」はヨークシャーテリア、「スリ」はトイプードル。

取材後記 「私、犬と話せる時期があったんです」。都が真面目な顔で明かした“特殊能力”に驚かされた。徳島の実家で飼う愛犬「ココ」と「スリ」を溺愛。「高校の時は『のどがかわいた』とか話してきて以心伝心だった。今も『あいつ、帰ってこないな』とか言ってそう」。今は話せなくなったが、初優勝を報告したら祝福の言葉が返ってくるかも…。

 プロで賞金の使い道を聞くと「本当に物欲がない」と都。夢の1つに保健所の犬や猫を保護する仕事を挙げ、「頑張って稼いだら、そのお金で犬を助けるのも目標」と言う。プロ1年目だが、昨年までアマチュアでレギュラーツアーに多く出場と実績十分。長渕剛好きの渋~い一面とともに、この上ない動物愛が勝利への原動力になる。(星)