「選抜高校野球・2回戦、聖光学院7-4早実」(25日、甲子園球場) 大きな壁を打ち砕く。限られたプランに、徹底的に忠実なプレーを貫いた。聖光学院(福島)の主将・竹内啓汰外野手(3年)が体現した。 斎藤智也監督(61)は「下馬評では絶対、早…

 「選抜高校野球・2回戦、聖光学院7-4早実」(25日、甲子園球場)

 大きな壁を打ち砕く。限られたプランに、徹底的に忠実なプレーを貫いた。聖光学院(福島)の主将・竹内啓汰外野手(3年)が体現した。

 斎藤智也監督(61)は「下馬評では絶対、早稲田だろうと」という相手を前に、選手を「立ち向かって勝ちきれるならたいしたもんだ」と鼓舞した。

 序盤、3点をリードされた。しかし、竹内はぶれない。四回無死一塁。相手を「いいピッチャー。向かっていくしかできないし、来た球に反応するしかできない」と、力量を認めた上で「インコースのスライダー。払い打った」と三塁線を破る適時二塁打。反撃ののろしを上げた。

 「高めは捨てる。低めのストライクゾーンを振り抜く」。チーム一丸で、ただそれだけを守りこの回、同点に追いついた。

 迎えた七回1死二塁。もはや「集中しすぎて覚えていない」と食らいついた打球が三遊間を破り、ついに逆転だ。竹内は八回にも適時打と極限の集中力を発揮、早実撃破の立役者となった。

 昨年9月には「大好き」だった祖母を亡くし「絶望でした」という。それでも立ち直り「(今も)いつも近くで見てくれていると信じている」という思いもこの日のプレーにつなげた。同校の春最上位に並ぶ12年ぶりベスト8。この壁も、竹内中心の一丸で破ってみせる。