「選抜高校野球・2回戦、智弁和歌山9-4エナジックスポーツ」(25日、甲子園球場) 2回戦3試合が行われ、智弁和歌山がエナジックスポーツ(沖縄)を9-4で下し、2019年以来6年ぶりの8強入りを決めた。智弁和歌山・大谷魁亜内野手(3年)は…
「選抜高校野球・2回戦、智弁和歌山9-4エナジックスポーツ」(25日、甲子園球場)
2回戦3試合が行われ、智弁和歌山がエナジックスポーツ(沖縄)を9-4で下し、2019年以来6年ぶりの8強入りを決めた。智弁和歌山・大谷魁亜内野手(3年)は重さ1200グラムの極太の木製バットを操り、2安打2打点と打線をけん引。聖光学院(福島)は7-4で早実(東京)を破り、センバツでは2013年以来12年ぶり2度目の8強。初出場の浦和実(埼玉)は8-2で東海大札幌(北海道)に勝利して準々決勝に進出した。
黒光りする極太バットを手に、大谷が暴れ回った。低反発バット時代に革命を起こす“新兵器”を駆使し、聖地に快音を響かせた。
三回2死一、二塁では痛烈なゴロで三塁線を破る左前適時打を放ち、四回2死一、三塁では「ミートだけを意識しました。(逆方向を)狙っていました」と、バットのヘッドを落とすように軽打で外角直球にアプローチ。ライナー性の打球で右前適時打とし、チーム10安打目をマークした。7番で2安打2打点。智弁和歌山の“オオタニサン”が計13安打9得点の打線をけん引し、8強前の近畿勢全滅を阻止した。
手に持つのは一般的なマスコットバットほど重い1200グラムの木製バット。通常のバットと比べても明らかに太く、長さ84センチでグリップから拳1つ分を空けて握る。中谷仁監督(45)が「僕もバッティングが苦手だったんで」という阪神時代に、野村監督から助言を受けて重く太いバットを使用。「スキルに合ったものを探していけばいい」と自身の経験から大谷に極太バットを勧めた。
低反発バットに苦労した中、「重い分、芯に当てるだけで飛んでくれる」と昨夏から今のバットに変更。当初は腕の筋肉痛にも悩まされたが、振り込む中で徐々に適応。「プライドは捨てて全部逆方向を狙う」と今はミートに振り切った打撃で強力打線の一角を担う。
「自分のやっている逆方向の打撃を徹底して頑張ります」と大谷。甲子園でも欲は出さない。相棒の極太バットでチームを1994年以来31年ぶりの春の頂点に導く。
◆大谷 魁亜(おおたに・かいあ)2007年4月8日生まれ、17歳。和歌山県和歌山市出身。176センチ、73キロ。内野手。右投げ右打ち。小学3年時に木本少年野球クラブで野球を始め、河西中では和歌山ボーイズに所属。智弁和歌山では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒4、遠投90メートル。