◆プロボクシング ▽フェザー級(57・1キロ以下)10回戦 △清水聡(引き分け)阿部麗也△(25日、東京・後楽園ホール) 2012年ロンドン五輪バンタム級銅メダリストで元東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・フェザー級王者の清水聡(大橋)…
◆プロボクシング ▽フェザー級(57・1キロ以下)10回戦 △清水聡(引き分け)阿部麗也△(25日、東京・後楽園ホール)
2012年ロンドン五輪バンタム級銅メダリストで元東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・フェザー級王者の清水聡(大橋)が25日、同級10回戦で世界挑戦経験もある世界ランカーの阿部麗也(KG大和)と引き分けた。ジャッジ1者は97―93で清水を支持したが、残り2者は95―95でドローだった。清水は試合後、進退について「ちょっと1回、ゆっくり休ませてください」と明言を避けた。
生き残りをかけたサバイバルマッチは、決着がつかなかった。サウスポー同士の一戦。低い重心からフェイントを駆使して飛び込んでくる阿部を、多彩なジャブでコントロール。序盤は阿部が積極的な攻撃でポイントをリードした。中盤以降、清水は180センチの長身から打ち下ろす硬質な左ストレートで何度も阿部のアゴをとらえ、リターンの右フックもヒット。しかし9、10回は阿部の攻勢が勝り、痛み分けとなった。
試合後、清水は「良かったですけどね。最初のジャッジが97―93で、『これいったかな』と思った。僕の手の内で試合を運べたというのが正直な感想。ただそういう(ドロー)判定が出たので、後から何を言ってもだめ。結果は受け止める」と手応えがあったことを明かし、「自分の中では頑張れたと、合格点を与えたい」と小さく笑みをこぼした。
13日に39歳になった清水は、23年7月にWBO世界フェザー級タイトルマッチで王者ロベイシ・ラミレス(キューバ)に5回TKOで敗れ、一度は引退を示唆したが「メダリストとしてこのまま終わりたくない」と再起。この日が1年8か月ぶりのリングだった。この日32歳の誕生日を迎えた阿部は、昨年3月にIBF世界フェザー級タイトルマッチで王者ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に8回TKO負けして再起2戦目だった
進退について明言を避けた清水に対し、大橋秀行会長(60)は「スパーリングも試合も含めてきょうが一番良かった。久しぶりにいい清水が見られた。今後は気持ちの問題。ゆっくり考えてほしい」と銅メダリストの決断を受け入れる考えを示した。
戦績は清水が11勝(10KO)2敗1分け、阿部が26勝(10KO)4敗2分け。