箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)は25日、今秋の第102回箱根駅伝予選会(東京・立川市など)のスタート時間を午前8時30分に変更することを発表した。前回までは午前9時35分のスタートだったが、暑熱対策として1時間5分早ま…

 箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)は25日、今秋の第102回箱根駅伝予選会(東京・立川市など)のスタート時間を午前8時30分に変更することを発表した。前回までは午前9時35分のスタートだったが、暑熱対策として1時間5分早まることになった。関東学連は「温暖化の影響による選手の安全確保について検討してまいりました。暑熱対策として(スタート時間を)早めることになりました」と説明した。

 各校12人以下がハーフマラソンを一斉スタートし、上位10人の合計タイムで本戦出場権を争う箱根駅伝予選会は例年、選手が心身をぎりぎりまで追い込み、激しいレースが展開される。

 特に昨年10月19日に開催された箱根駅伝予選会は季節外れの暑さに見舞われ、消耗戦となった。気温は午前9時35分のスタート時で23・2度、レース中に25度を超え、夏日になった。ハーフマラソンを走るには過酷な条件だったことはタイムにはっきりと表れた。トップ通過した立大のタイム(10時間52分36秒)は、一昨年の予選会(スタート時の気温15・8度)の25位相当。10位通過した順大のタイムは同34位相当だった。距離がハーフマラソンに延長された18年以降、トップ通過のタイムと最下位通過のタイムは、いずれも最も遅かった。

 暑さの影響で終盤に失速する選手が続出。ゴール直前で倒れた東海大のロホマンシュモン(当時3年)ら10人が途中棄権や制限時間オーバーでゴールできなかった。東海大の両角速監督は「ロホマンは重度の熱中症でした」と明かした。

 今年の箱根駅伝予選会の日程は現時点で未定だが、例年通りに10月中旬に開催される見込み。スタート時間が早まることによって、安全、かつ、レベルの高い争いが期待される。

 青学大の監督で、関東学連の箱根駅伝対策委員会の原晋委員長は「これからも選手ファーストの視点でさまざまな改革をしていきます」と明言した。