日本オリンピック委員会(JOC)と日本パラリンピック委員会(JPC)は25日に都内で記者会見し、インターネット上で深刻化する選手への誹謗(ひぼう)中傷の相談窓口を開設したと発表した。 弁護士と連携してSNSの運営事業者に対する投稿の削除依…
日本オリンピック委員会(JOC)と日本パラリンピック委員会(JPC)は25日に都内で記者会見し、インターネット上で深刻化する選手への誹謗(ひぼう)中傷の相談窓口を開設したと発表した。
弁護士と連携してSNSの運営事業者に対する投稿の削除依頼や、訴訟など法的措置を講じる場合の支援を行う。この日から運用が開始され、主にJOCとJPCの強化指定選手が対象。指導者や選手の親族も一部メニューを利用できる。昨夏のパリ五輪で被害が相次いだことを受け、スポーツ庁は2024年度の補正予算で誹謗中傷対策のため、2億円を計上。JOCとJPCが対応を協議していた。
会見には、パリ五輪ブレイキン日本代表の半井重幸(ダンサー名・SHIGEKIX、第一生命保険)も出席。「心技体と言いますが、心が整わない状態では、フィジカル的な部分においても(良い)パフォーマンスはなかなか発揮されません。アスリートにとって心のけがというのは、本当に致命的」と選手の心の内を代弁した。
一方で「皆さんからかけられるお言葉は、アスリートは直(じか)にエネルギーを感じています。もちろん背中を押してしていただけるようなお言葉、うれしいお言葉をたくさんいただいた際には、その分すごくパワーも出ます。ネガティブなことを実際に目にしたり耳に入ると、やっぱり傷ついたり、実際に心にけがを負ってしまうのも事実です」とファンからの声の重みも語った。
さらには「アスリートに限らずですが、全ての方々が新たなことに挑戦する、ポジティブなエネルギーを奪ってしまわないためにも、この誹謗中傷に対する対策と積極的に進めていけたらうれしいなと感じています」と対策の重要性を訴えた。