【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬【ラーイ】 イギリスでデビューし、のちにアメリカへ転じました。重賞勝ちはベルエアH(米G2・ダ8ハロン)のみですが、2着に10馬身差をつけ…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【ラーイ】
イギリスでデビューし、のちにアメリカへ転じました。重賞勝ちはベルエアH(米G2・ダ8ハロン)のみですが、2着に10馬身差をつけて1分33秒0という出色の好タイムを記録。イギリス時代には2歳時にミドルパークS(英G1・芝6ハロン)で2着となっています。
父は大種牡馬ブラッシンググルーム、母はカナダ年度代表馬、米最優秀古牝馬のグローリアスソング、という超良血。兄弟にシングスピール、グランドオペラ、叔父にデヴィルズバッグ、セイントバラードがおり、一族にハルーワソング(ヴィルシーナ、ヴィブロス、シュヴァルグラン、ディヴィーナ、セラフィックコール、サンライズアースなどの祖)、ダノンシャンティ、ダノンバラードなどがいます。
この良血は種牡馬となって開花し、ファンタスティックライト、セレナーズソング、ノヴェールをはじめ100頭近いステークスウィナーを誕生させました。基本的には芝・ダート兼用のスピードタイプで、少し一本調子なところはありますが、仕上がり早で、時計の速い決着に強く、配合次第でさまざまなタイプを出しました。日本ではトキオパーフェクト、フライングアップル、グラスワールドという重賞勝ち馬が出ています。
サイアーラインはラーイ→ノヴェール→ルアーヴルと続き、母の父としてはジャイアンツコーズウェイが代表格です。年を経るごとに血の重要性が増している感があり、わが国の現役種牡馬では、レモンポップ、ブリックスアンドモルタル、デクラレーションオブウォー、マインドユアビスケッツ、オナーコード、セリフォス、グレナディアガーズ、シャープアステカなどに含まれています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「2025年のPOGで注目すべき種牡馬は?」
前年比で大幅に産駒が増えた種牡馬は、人気化した確固たる理由が存在するので、高確率で繁殖牝馬の質もアップしています。今年はキタサンブラック(63頭増)、シルバーステート(52頭増)、ドレフォン(24頭増)の3頭がこれに該当します。いずれも2021年に初年度産駒がデビューして好成績を挙げ、翌春の種付けシーズンで人気化したという経緯があります。6月にデビューする2歳馬は、POGはもちろん馬券でも狙い撃ちしたいところです。