◇国内女子◇Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント 最終日(23日)◇紫CC すみれC(千葉)◇6668yd(パー72)今季から国内女子ツアーで、グリーンの硬さを測る方法がリニューアルされた。従来の「コンパクションメーター(山中…

◇国内女子◇Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント 最終日(23日)◇紫CC すみれC(千葉)◇6668yd(パー72)
今季から国内女子ツアーで、グリーンの硬さを測る方法がリニューアルされた。従来の「コンパクションメーター(山中式土壌高度計)」から「ファームネスメーター」を使う方式へ。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)によると、新方式導入の目的は「選手の感覚と数値をより近づけること」にある。
では、新方式は何が違うのか?JLPGAの資料は「山中式は土壌硬度を測定する計器であるのに対し、ファームネスはグリーン表層の硬度を測定できるもの」と記されている。つまり、計測対象が「地中」から「表面」になったことで、選手が実際に感じる“硬さ”に近い数値を反映できるらしい。

山中式は、計測器の鋭利な部分を地面に刺して硬さを測る。対して、ファームネスメーターは高さ180cm地点から約360gの鉄球を落とし“何mm凹んだか”を測る。同メーターはPGAツアーでも採用され、この「180cmから約360gの落下」が同ツアーメンバーの7Iのショットが着弾した際と同程度の衝撃にあたるという。

多くの選手が「硬い」と口を揃えた紫CCすみれCでは、初日の9番グリーンが山中式で「24.5」、ファームネスメーターで「266」、18番が「25」、「220」だった。山中式は数値が大きい方が、ファームネスメーターは数値が小さい方がより硬いことになる。また単位の桁が1つ増えて、より細かい表示がなされるようになった。本大会ではファームネスメーターの数値のみが選手に提供されたが、計測方法変更がプレーに影響を及ぼすことはなかったようだ。実際に話を聞いても「あまり変わらない」という声が多かった。
選手やキャディは練習日からスピンの効き具合、ピッチマークやフォークの刺さり具合などでグリーンコンディションを把握するから、数値が変わろうが大した影響がないのは当たり前だろう。ただ、これまで耳にしていた数値と異なる分、イメージが湧くのに時間がかかる反面、単位がより大きく、細かくなった分、そこにフィーリングが噛み合ってくれば、従来より意味のある判断材料になるかもしれない。JLPGAは新方式と選手の感覚のズレを少なくするため、まずは1シーズンかけてデータの蓄積していく。

国内男子ツアーでも、今季からファームネスメーターを導入する予定。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の採用理由は、実際に凹んだ数値が目視化できるため、旧方式よりも選手の感覚に近づくことにある。また、国内女子ツアーと基準を合わせることで、男女のゴルフの“違い”がギャラリー、視聴者に分かりやすくなることを挙げた。
なんともマニアックな話だし、最初はなかなかピンと来ないだろうが、試合を重ねるごとに、グリーンの硬さの基準がより精度を増して確立していく。選手もファンも新たなゴルフの楽しみ方を見つけられるかもしれない。(千葉県野田市/谷口愛純)