◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル) 第55回高松宮記念・G1(30日、中京)の「考察」前哨戦編は、昨年の覇者で阪神Cで2着に入ったマッドクールを取り上げる。 まず、今年は触れておかないといけない大きな“…

◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル)

 第55回高松宮記念・G1(30日、中京)の「考察」前哨戦編は、昨年の覇者で阪神Cで2着に入ったマッドクールを取り上げる。

 まず、今年は触れておかないといけない大きな“変化”がある。王道トライアルといえる阪急杯、オーシャンSが前倒しとなり、本番との間隔がそれぞれ中4週、中3週と1週増えた。過去10年で阪急杯組は勝率2・5%、オーシャンS組が1・7%と結果が出ていないが、間隔が広がり、浮上の余地が増す可能性は十分だ。

 しかし、今年の注目は阪神C。メンバーの質が抜けて高い。まず、今年の主要前哨戦に出走した重賞勝ち馬とその重賞勝利数の合計、G1勝ち馬の数字を見ていく。シルクロードSは重賞勝ち馬4頭で合計6勝、G1馬はなしで、阪急杯は同7頭で勝利数12、G1馬が1頭。オーシャンSは同7頭で9勝、G1馬1頭だ。

 阪急杯とオーシャンSは決して悪い数字ではない。しかし、阪神Cは重賞勝ち馬15頭で合計28勝、G1馬5頭と他を圧倒しているのだ。今年は1、2着馬がここへの直行。その中でも特にマッドクールの方に魅力を感じる。

 このレースは5着以内の中で、3頭が4角で13番手より後ろ。完全な差し競馬だった。その中で先行策から5着だったママコチャは続くオーシャンSで復活V。さらに同じく先行したウイングレイテストは17着と大敗したが、続くオーシャンSで3着と激変した。マッドクールはママコチャやグレイテストより早めに動きながらも2着。相当に中身の濃いと判断できる走りで、人気でも外すことはできない。(山本 武志)