大相撲春場所で3度目の優勝を果たした大関大の里(24)=二所ノ関=が24日、大阪市内で一夜明け会見を行った。夏場所(5月11日初日、両国国技館)で綱とりがかかることが濃厚。「務めを果たしてくれた」と賛辞を贈るデイリースポーツ評論家で元横綱…

 大相撲春場所で3度目の優勝を果たした大関大の里(24)=二所ノ関=が24日、大阪市内で一夜明け会見を行った。夏場所(5月11日初日、両国国技館)で綱とりがかかることが濃厚。「務めを果たしてくれた」と賛辞を贈るデイリースポーツ評論家で元横綱武蔵丸の武蔵川親方は、高安らが優勝争いを繰り広げた場所を総括した。

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 優勝した大の里は大関の務めを果たしてくれたね。高安との優勝決定戦のように、前に出る圧力は素晴らしかった。強く当たれた時はいいけれど、立ち合いで腰が高かったり、遅い時は足が止まってしまう。そこから、すぐ引いて呼び込んでしまうのは悪い癖だな。

 高安は優勝してほしかったね。必死で相撲を取る姿に、みんながそう思ったんじゃないかな。体の状態が良さそうで、よく手が伸びていた。昔は後半戦になるとバテるから、初日に横綱と当たったらいいんじゃないかと思ったこともあったけれど、優勝目指して頑張ってほしいな。今場所のようにコンディションをいかに整えるか、だね。

 新横綱の豊昇龍は残念だった。体が大きくないのに、胸から当たる立ち合いは軽い。張って上手を狙う立ち合いは、もうバレている。怖さがないんだよね。もっと低く当たって、上手より前みつを取って引きつける相撲がいい。豊昇龍が言う「型がないのが自分の型」というのもよくない。横綱ならこの形になれば負けない、自分の型をつかんでほしい。強い横綱はみんな型を持っているよ。ケガをしっかり治して、来場所に期待だね。

 期待していた王鵬は6勝止まり。初場所のように手も足も出ていなかった。大の里に勝った相撲は素晴らしく、力は付けている。来場所に期待だね。安青錦、美ノ海と意外な力士が活躍して盛り上がった中、大関が最後を締めた、いい場所だったと思うよ。

 千秋楽は5人で決定戦を行う可能性があったって。自分が5人で勝った時(1996年九州場所。曙、若乃花、貴ノ浪、魁皇とともに11勝で並ぶ)は体が動いて、スタミナがあったから勝てた。いかに元気でいられるか、が本場所では大事なんだ。