大相撲春場所で3度目の優勝を果たした大関大の里(24)=二所ノ関=が24日、大阪市内で一夜明け会見を行った。新横綱となった豊昇龍(25)=立浪=の存在が刺激になったことを明かすとともに、綱とりがかかることが濃厚な夏場所(5月11日初日、両…
大相撲春場所で3度目の優勝を果たした大関大の里(24)=二所ノ関=が24日、大阪市内で一夜明け会見を行った。新横綱となった豊昇龍(25)=立浪=の存在が刺激になったことを明かすとともに、綱とりがかかることが濃厚な夏場所(5月11日初日、両国国技館)千秋楽での激突に視線を向けた。横綱を倒し、史上最速の横綱昇進へ期待が高まる。
激闘から一夜。大の里は穏やかな表情で「しっかりと稽古したつもりだった。その成果が出てうれしい」と、改めて高安との決定戦を制した喜びを口にした。
千秋楽の前夜、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から「最後は稽古したやつが勝つから」と連絡が届いた。「まさしくそうだなって。自分がやってきたことを信じれば、大丈夫だろうと思った」と振り返った。
夏場所は綱とりがかかる。審判部は明言しなかったが、八角理事長(元横綱北勝海)は「早く上がってほしい」と言及。13勝以上がノルマと予想され、大の里は「いろいろな声は聞こえるが焦ることなく自分のペースで、やることを信じて頑張りたい」と前を向いた。
奮起の要因は初場所後に昇進した豊昇龍の存在だった。「高校時代から知ってる方が横綱になった。その刺激が大きくて、今場所やれたんじゃないか」と明かした。1学年上の相手とは高校時代も対戦。大相撲では昨年初場所の初対戦から、通算2勝(不戦勝1)5敗と苦手にする。夏場所は千秋楽での対戦が順当で「次に向けてしっかり頑張りたい」と誓った。
10勝に終わった初場所後、二所ノ関親方から「貯金は尽きた」と稽古の必要を問われ「その通りだと思った」と結果につなげた。優勝3度は師匠の2回を超えても「やっぱりまだまだ。師匠には到底追いついていません。目標は親方」と語る。
初土俵から横綱昇進までの所要場所は、昭和以降では羽黒山、照国の16が最短。年6場所制となった1958年以降では、同じ石川出身の輪島の21がスピード記録。来場所後の昇進なら所要13場所と大幅に更新する。
4月7日には故郷の津幡巡業が控える。豊昇龍を倒しての昇進へ、地元の期待を追い風にする。