◆プロボクシング ▽東洋太平洋バンタム級(53・5キロ以下)王座統一戦12回戦 ●王者・栗原慶太(1回TKO)暫定王者・ケネス・ラバー〇(24日、東京・後楽園ホール) 東洋太平洋バンタム級王者・栗原慶太(一力)が、暫定王者・ケネス・ラバー(…

◆プロボクシング ▽東洋太平洋バンタム級(53・5キロ以下)王座統一戦12回戦 ●王者・栗原慶太(1回TKO)暫定王者・ケネス・ラバー〇(24日、東京・後楽園ホール)

 東洋太平洋バンタム級王者・栗原慶太(一力)が、暫定王者・ケネス・ラバー(フィリピン)に1回2分33秒でTKO負けし、王座から陥落した。

 サウスポーのラバーは、初回から母国の英雄マニー・パッキャオばりの鋭いステップインから左ストレートをヒット。左ストレートからの左フックで最初のダウンを奪うと、再開後も左ストレートで2度目のダウン。さらにロープに詰めて左を突き刺したところで、レフェリーが割って入り試合を止めた。

 まさかの初回TKO負けに、栗原は試合後の控室で「悔しいなぁ」と何度もつぶやいた。「まだ距離感をつかむ前に終わってしまった。2度のダウンもダメージはなかったが、相手の勢いはすごかった。正規王者にふさわしい選手だった」と振り返り、「ボクシングってこういうもんっすね。負けるなら序盤かと思っていた」と目を赤くして悔やんだ。

 昨年7月のノンタイトル8回戦では苦戦の末2―1の判定で辛勝し、試合後は引退もほのめかした。しかしこの日は、「今はやり返してやりたいと思っている」とすぐに再起を誓った。世界戦線からは「これで相当落ちたことは認めなきゃいけない」としながらも、「ここからまた1つ1つやっていくしかない。世界チャンピオンになるならそれしかない」と自分に言い聞かせるように話した。

 正規王者となったラバーは、昨年12月の東洋太平洋暫定王座決定戦・デカナルド闘凜生(六島)戦に続く衝撃の初回KO勝ち。バンタム級は主要4団体の世界王座を日本人選手が独占し、WBOアジアパシフィック王座も那須川天心(帝拳)が保持しているが「日本のいい選手とみんなやりたい」と話し、特に対戦したい選手として「ジュント・ナカタニ」と同級最強の呼び声高いWBC王者を指名。「(中谷が)一番強いと思う。まだ勝つ自信はないけど、一生懸命練習してもっと強くなる。これから人気者になったら、みんなが俺を追いかけるから」と豪語した。

 戦績は栗原が28戦19勝(16KO)9敗1分け、ラバーが14戦14勝(9KO)。