【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆血統で振り返る阪神大賞典【Pick Up】サンライズアース:1着 父レイデオロは日本ダービー、天皇賞(秋)など5つの重賞タイトルを獲得しました。初年度の種付け料は600万円。そ…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返る阪神大賞典
【Pick Up】サンライズアース:1着
父レイデオロは日本ダービー、天皇賞(秋)など5つの重賞タイトルを獲得しました。初年度の種付け料は600万円。それから5年が経過した今年、250万円と半分以下に落ち込んでいます。
種牡馬にはさまざまなタイプがありますが、レイデオロは長距離を得意としています。芝2500m以上では[4-4-2-9]。勝率21.1%、連対率42.1%、複勝率52.6%と抜群の成績です。芝3000m以上では今回を含めて[1-0-1-0]。昨年の菊花賞でアドマイヤテラが7番人気ながら3着と健闘しました。
芝1000〜1200mでは過去27戦して5着が最高着順であるように、スピード面に難があるのは事実ですが、長距離向きと理解していれば扱いは決して難しくありません。
本馬はセラフィックコール(ダイオライト記念2回、みやこS)、テリオスララ(阪神JF・3着)をきょうだいに持つ良血で、近親には多くの重賞勝ち馬が並んでいます。“2代父がキングカメハメハ、母の父がマンハッタンカフェ”という配合構成は、昨年のこのレースの覇者で天皇賞(春)を勝ったテーオーロイヤルと同じです。
今回はスローペースで逃げられた利はあったものの、全体的なパフォーマンスは長距離界のニュースター誕生と印象づけるもので、次走の天皇賞(春)でも楽しみな存在です。
◆血統で振り返るフラワーC
【Pick Up】レーゼドラマ:1着
キズナ産駒が1〜3着を独占しました。同産駒はシックスペンス(中山記念)、ショウナンザナドゥ(フィリーズレビュー)、クイーンズウォーク(金鯱賞)に続いて4週連続重賞制覇。今年のJRA平地重賞は6勝目で、ロードカナロア(4勝)、エピファネイア(3勝)を抑えて単独トップです。
母シアードラマはパーソナルエンスンS(米G1・ダ9ハロン)を含めて3つの米G1を勝った名牝。BCスプリント(米G1・ダ6ハロン)の勝ち馬ビッグドラマ、ダート短距離で4勝を挙げたマルターズマッシブの半妹です。
母方にファピアノを持つキズナ産駒は成功しており、連対率24.8%、1走あたりの賞金額312万円、勝馬率57.7%。キズナ産駒全体は連対率20.1%、1走あたり234万円、勝馬率46.6%なので、明らかに成績が向上します。
本馬の前にデビューした母の仔は4頭すべて勝ち上がっています。ただ、重賞級の大物は出ていませんでした。本馬はダート向きだった全姉ルージュアベリアとはタイプが異なります。切れるタイプではありませんが、スピードの持続力に優れており、むしろクラスが上がって締まったペースになったほうがレースはしやすいでしょう。オークスでも展開次第ではチャンスがあると思える存在です。