プロ入り初の開幕スタメンが内定しているソフトバンク・リチャード内野手(25)が24日、開幕スタートダッシュを誓った。この日、休日返上で本拠地みずほペイペイドームの室内打撃ケージでバットを振り込んだ。23日の広島戦後、小久保裕紀監督(53)が…
プロ入り初の開幕スタメンが内定しているソフトバンク・リチャード内野手(25)が24日、開幕スタートダッシュを誓った。この日、休日返上で本拠地みずほペイペイドームの室内打撃ケージでバットを振り込んだ。23日の広島戦後、小久保裕紀監督(53)がアピール不足の若手野手陣を一喝。名指しはされなかったが「僕も入っていると思う。開幕からアピールしたい」と、指揮官のカツにバットで応えて見せる。
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大きな体が、自然に動いた。ドーム球場の室内打撃ケージから響く打球音。リチャードに「休み」の文字はなかった。
この日は投手練習のみ。野手陣は開幕前の唯一の休日だった。リチャードは本拠地で疲労回復を目的に酸素カプセルに入ったり、ストレッチで体をほぐすつもりだったが、バットを手にすると約1時間、打ち続けていた。
「(練習を)やったらうまくなると思う。自分でやるのは全然きつくないんで。不安が取れたわけじゃないですが、今日打ったことはプラスにはなっていると思う」
プロ8年目で初体験となる「開幕スタメン」。実力で切符をつかんだかと聞かれれば、リチャードは首を横に振る。「自分の実力ではないんで。栗さん(栗原)もすぐに帰ってくる。でも、自分が使えるかなというところまでアピールできるかを意識してやっていきたい」。三塁の定位置がほぼ確定していた栗原が、負傷離脱。先輩の不在を埋める形での開幕スタメン。それでも、小久保監督ら首脳陣への強烈なアピールを怠るわけにはいかない。
痛烈な言葉も、胸に突き刺さった。23日の広島戦後。小久保監督は若手野手陣のアピール不足を怒り口調で総括した。「その中に僕も入っていますよね。そういう風に監督に思わせているなら、評価が変わりますよね。でも、開幕からアピールしたい。1日一仕事はしたい」と、ロマン砲は力を込めた。
オープン戦は18試合に出場。2本塁打を放ったものの打率2割2分6厘。最終4試合は無安打に終わった。「30球くらいで終わろうと思ったけど、何かが欲しくて。絶対にプラスになると思ったので打ちました」。開幕まで残り4日。高ぶるハートを抑え、リチャードは「結果」で応えてみせる。【佐竹英治】