◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル) 昨年覇者のマッドクールが完全復調の気配を漂わせている。春のスプリント王に輝いた後はチェアマンスプリントプライズ・香港G1、スプリンターズSと2ケタ着順に敗れる不本意な…

◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル)

 昨年覇者のマッドクールが完全復調の気配を漂わせている。春のスプリント王に輝いた後はチェアマンスプリントプライズ・香港G1、スプリンターズSと2ケタ着順に敗れる不本意な成績。しかし、前走の阪神カップで一変。スタートを決めて好位を追走し、連続開催で荒れた馬場のなかしぶとく脚を伸ばした。勝ち馬ナムラクレアの大外強襲に屈したものの、一時は先頭に立つなど見せ場十分の2着。まだまだその実力はさびついていない。

 今回は昨年の高松宮記念を制覇したときと同じ、3ヶ月の間隔を空けての出走となる。池添調教師が「この馬にとってベストな間隔」と言うように、しっかりとリフレッシュし、中間は絶好の動きを披露している。3月19日の1週前追い切りは坂井瑠星騎手を背に栗東・CWコースを単走で78秒9―11秒1の好時計をマーク。鞍上が気合をつけると重心をグッと下げたしなやかな走りで伸びた。「十分すぎる動き。あとは来週やりすぎないようにするだけ」とトレーナー。現時点でも力を出せる体勢にある。

 初のG2勝ちで重賞5勝目を挙げ、意気揚々とG1取りを目指すナムラクレアをはじめ、オーシャンSを制して弾みをつけたG1馬ママコチャ、昨秋のスプリンターズSを勝利したルガルなど好メンバーが揃った一戦。強敵は多いが、2010、2011年のキンシャサノキセキ以来、史上2頭目の連覇へどんな走りを見せてくれるのか注目したい。(山本 理貴)