競馬記者・三浦凪沙さん インタビュー「高松宮記念 注目馬」編 横浜DeNAベイスターズの三浦大輔監督を父に持ち、現在は東京サンケイスポーツの競馬記者として奮闘する三浦凪沙さん。初の著書『知れば知るほど楽しくなる! ウマに恋する競馬ガイド』(…
競馬記者・三浦凪沙さん インタビュー「高松宮記念 注目馬」編
横浜DeNAベイスターズの三浦大輔監督を父に持ち、現在は東京サンケイスポーツの競馬記者として奮闘する三浦凪沙さん。初の著書『知れば知るほど楽しくなる! ウマに恋する競馬ガイド』(小学館)も出版するなど大活躍中の三浦さんに、3月30日に行なわれるGⅠ高松宮記念(中京・芝1200m)の注目馬を聞いた。
高松宮記念の注目馬について語った三浦凪沙さん
【スプリント界の新たな主役に期待】
三浦凪沙 今週は、春のスプリント王を決める高松宮記念が行なわれます。GⅠ馬の参戦は、2023年のスプリンターズSを制したママコチャ、昨年のこのレースで勝利したマッドクール、そして昨年のGⅠスプリンターズS(9月29日/中山・芝1200m)の覇者であるルガルの3頭ですが、登録した20頭のうち14頭が重賞ウイナーという粒ぞろいの一戦です。
もとから波乱傾向の強いレースで、今年も混戦が予想されます。ただし、過去の傾向を見ると1番人気の成績が芳しくない一方で、2、3番人気の成績は上々。「荒れるレース」とはいえ、上位人気は押さえたほうがいいでしょう。
馬券は穴馬を狙いにいくよりも、過去の傾向から信頼度の高い2、3番人気を軸に考えたいと思います。ということで、現時点の注目馬にはおそらく1〜3番人気になるであろう3頭を選びました。予想の結論は、最終追い切りと枠順を加味したうえで出したいと思います。
1頭目の注目馬はルガル(牡5歳)です。昨年、JRA賞の「最優秀スプリンター」に選ばれた馬で、先述したようにGⅠホースであり実力は間違いありません。
昨年の高松宮記念(2024年3月24日)は10着に敗れてしまいましたが、レース後に膝の骨折が判明。アクシデントがあっての結果であり、参考外の一戦でした。この時もGⅠ初挑戦だったにもかかわらず、1番人気に支持されていたように能力は高く、骨折からの復帰初戦となったスプリンターズSでは3番手追走から抜け出す快勝。スプリント界の新たな主役が誕生したと感じる瞬間でした。
つづく海外でのGⅠ香港スプリント(2024年12月8日/香港・芝1200m)は11着と大敗したものの、出遅れたうえに初めての海外遠征で精神面の影響もあったようです。決して力負けではないはずです。
それ以来3カ月半ぶりの休み明けとなる今回は、仕上がり具合がカギになりますが、国内に戻っての巻き返しに期待したいと思います。
【ナムラクレアの"3度目の正直"に注目】
サトノレーヴ(牡6歳)にも注目しています。GⅠ初挑戦だった2走前のスプリンターズSでは7着と、初めて掲示板を外してしまいました。それでも勝ち馬からコンマ4秒差と、着順ほど負けていません。
前走の香港スプリントでは、最後までしぶとく脚を伸ばして日本馬最先着の3着と好走。力のあるところをあらためて示しました。昨春のリステッド競走・春雷S(2024年4月14日/中山・芝1200m)からの3連勝は、着差以上に強さを感じる内容でした。その春雷Sで勝利に導き、香港スプリントでもコンビを組んだジョアン・モレイラ騎手が再び騎乗するのも魅力。
ただし、今回はキャリア12戦目で初めての左回り。そこに対応できるかがポイントになるでしょう。
ナムラクレア(牝6歳)も触れておきたい1頭です。高松宮記念では、ここ2年連続で僅差の2着。それ以外にもGⅠ勝利にあと一歩のレースが続いていますが、安定感はピカイチです。
3走前のGⅢキーンランドC(2024年8月25日/札幌・芝1200m)は、久しぶりに馬券圏外の5着となりました。しかしこれは、最後の直線で狭い内を突いて他馬と接触するシーンが影響したもの。敗因は明確です。
前走のGⅡ阪神C(2024年12月21日/京都・芝1400m)では、大外一気を決めて重賞5勝目を挙げました。明け6歳の牝馬でも心身ともに衰えは感じられません。前走に続いてクリストフ・ルメール騎手が手綱をとる点も心強く、今年こそGⅠタイトル奪取なるか注目です。
【なにかと縁がある高松宮記念の思い出】
高松宮記念というと、2021年と2022年の思い出が強く残っています。2021年は初めて記者としてテレビの仕事でGⅠの特集に関わらせていただき、なんとしても当てたい一心でした。ライトオンキューに本命を打ちましたが、レース中に鼻出血を発症して17着。これも競馬だなと感じました。
2022年はナランフレグが勝利し、騎乗していた丸田恭介騎手は悲願のGⅠ初制覇。レース後の涙は印象的でした。翌週の美浦トレセンはお祝いムードがすごかったです。厩舎関係者はもちろん、記者たちも喜んでいて、丸田騎手がたくさんの人に愛されていることを強く実感したレースでした。
高松宮記念はあまり相性のいいレースではないのですが、なにかと縁があるように感じています。今年こそは、予想もドンピシャで当てたいです!
終わり
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<プロフィール>
三浦凪沙 みうら・なぎさ/東京サンケイスポーツ競馬記者。父は現・横浜DeNAベイスターズ監督の三浦大輔氏。父の所有するリーゼントブルースのデビュー戦を生観戦したことをきっかけに競馬好きに。2025年2月には、著書『知れば知るほど楽しくなる!ウマに恋する競馬ガイド』を発売。