◆競泳 日本選手権最終日(23日、東京アクアティクスセンター) 7月の世界選手権(シンガポール)の代表選考を兼ねた日本選手権は閉幕した。男子1500メートル自由形では大阪・四條畷学園高2年の今福和志(17)=枚方SS=が14分50秒18の日…
◆競泳 日本選手権最終日(23日、東京アクアティクスセンター)
7月の世界選手権(シンガポール)の代表選考を兼ねた日本選手権は閉幕した。男子1500メートル自由形では大阪・四條畷学園高2年の今福和志(17)=枚方SS=が14分50秒18の日本記録を樹立。今大会は2個の日本新が生まれ、34人が日本代表に内定した。メダル1個と不調に終わったパリ五輪から1年、日本代表が再スタートを切る。2028年ロス五輪に向けたこの夏の位置づけを、スポーツ報知評論家で五輪3大会連続メダルの松田丈志氏(40)が語った。
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今大会を通して日本新記録は2つ。数の上でさみしさを感じるが、最終日に高校2年生の今福和志選手が、1500メートル自由形で11年ぶりに日本記録を更新した。若い選手が記録を出してくれたことは、よかったと思う。
メダル1個だったパリ五輪後、今年は28年ロス五輪に向けて仕切り直しの年。若手育成が大きなテーマとなる。今大会は従来の派遣記録よりも一つ下の基準で選考し、個人で34人が内定。代表の門戸を広げる狙いは達成できただろう。ここからはロスまでのステップを明確に伝えていくことが重要で、長期的な目線と納得感を持った上での強化が必要だ。コロナ禍は明け、4年間で一本筋の通った強化をやり直す機会と考える。
今後は男子平泳ぎなどメダル獲得期待値の高い種目を重点強化種目に置くという。個人的には、ここにリレー種目を入れてほしい。私は12年ロンドン五輪のメドレーリレーなど、リレーで2つのメダルを獲得した。今でも覚えてくれている人がいるように、リレーでメダルを取れば日本水泳界にインパクトを与えることができる。チームの盛り上げにも一役買うはずだ
世界選手権に向け、今後は合宿なども増える。ロス五輪への第一歩として、代表としての教育にも期待したい。水泳界で築いてきた歴史やあるべき姿などを、いま一度、見直すところから再スタートを切ってほしい。(北京・ロンドン・リオ五輪3大会連続メダリスト)