◇国内女子◇Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント 最終日(23日)◇紫CC すみれC(千葉)◇6668yd(パー72)◇晴れホールの両脇をギャラリーが埋め尽くす光景は、年に数回しか見られない。「頑張れって言ってもらえるのが、幸…

◇国内女子◇Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント 最終日(23日)◇紫CC すみれC(千葉)◇6668yd(パー72)◇晴れ
ホールの両脇をギャラリーが埋め尽くす光景は、年に数回しか見られない。「頑張れって言ってもらえるのが、幸せなことなんだと。やっぱり、帰ってくるたびに気づかされます」。ボギーを叩いても応援してくれる声援が、渋野日向子をトップ10まで押し上げた。
最終日を「72」で回って、通算2アンダー6位でフィニッシュ。トップ10に入るのは日米ツアー合わせて昨年6月「全米女子プロ」(7位)以来だった。今季米ツアー3試合を戦う中で徐々に手ごたえを感じていたが、今週も合格点は出せていない。「ショットの精度に関しては半分もいっていない」と、今週のフェアウェイキープ率は61.90%(26/42)、パーオン率は62.96%(34/54)と課題が残る。

この日はそれまで好調だったパッティングも決まらず、序盤から3~4mのチャンスを逃してヒザを折る場面が何度もあった。「苦しいラウンドだったので先にボギーが来てしまったのは悔しかったです。やっぱり気合が入っていたぶん、打ち急いでいた」と悔やんだが、振り返る表情は明るかった。
「日本の試合に帰ってくるたんびに沢山の人に応援していただけて、初心に戻れる」。米ツアーでも日本のファンが応援に来てくれる試合は多いが、3日間で1万6598人が訪れた会場でのプレーは格別だった。2日目に1番でダブルボギーを叩いたときも、すかさず「頑張れ」の声援が飛ぶ。グリーンを降りながら切り替えるようにうなずくと、すぐに3番でバーディを取り返して見せた。「ボギー打とうが、次バーディ獲れ、頑張れって言ってもらえる。すごく、楽しかったですね」と声援を力に変えた。

次の国内ツアー出場については、11月の「TOTOジャパンクラシック」と現状では決めている。「帰って来たいんですけどね。主戦場は向こうなので、向こうで結果を残さないと、帰ってこられない」と、さみしさを振り払うように言い切った。
今週は、米ツアーメンバーの吉田優利が通算13アンダーで圧勝する姿も見届けた。「去年うまく行かなかったこともあると思うんですけど、ひたむきに頑張って、ずっと笑顔で接してくれた。優勝する姿が見られてすごくうれしいし、めちゃくちゃ刺激になった」と自分も頑張ろうと思えた1週間だった。

次戦は27日開幕の「フォード選手権」(ワールウインドGC)に出場。コースを出れば、24日の渡米に向けての準備が始まる。「良いゴルフができるように頑張りたい。たくさん、パワーをもらったので」。3日間で受けた声援を噛みしめて、次の試合に向かう。(千葉県野田市/谷口愛純)