(23日、第97回選抜高校野球大会1回戦 東海大札幌7―6日本航空石川) 昨春の選抜大会に続く、2度目の甲子園のマウンド。ただ、前回は継投でアウト一つをとっただけ。日本航空石川の蜂谷逞生(たくま)投手(3年)はこの日、背番号「1」で先発し…

 (23日、第97回選抜高校野球大会1回戦 東海大札幌7―6日本航空石川)

 昨春の選抜大会に続く、2度目の甲子園のマウンド。ただ、前回は継投でアウト一つをとっただけ。日本航空石川の蜂谷逞生(たくま)投手(3年)はこの日、背番号「1」で先発した。

 アルプススタンドには、千葉から駆けつけた祖父の知孝さん(75)の姿があった。千葉出身の蜂谷投手は幼い頃から祖父母に育てられたという。祖母の節子さんは中学1年のとき、がんで亡くなった。以来、弁当づくりも練習着の洗濯も、知孝さんが一手に担ってくれた。

 知孝さんの「けがなく、能登を元気づけるようなピッチングをしてほしい」という願いに応えたかったが、自信を持つストレートも「はじき返された」。五回途中まで投げて、被安打8の5失点。長井孝誠投手(3年)に後を託した。

 蜂谷投手は「コントロール、気持ちの面でまだまだだった」と振り返る。祖母の写真を手に応援してくれた知孝さんには「また、夏に戻ってくるから」と伝えたいという。知孝さんは「ごくろうさま、よくやった」とねぎらった。(砂山風磨)