(第97回選抜高校野球大会1回戦) 1回戦16試合が終わり、気になるのは昨年の大会から導入された低反発バットの影響だ。 本塁打数は昨年の1回戦終了時に2本出たのに対し、今大会はランニング本塁打1本のみ。一方、総得点は昨年の103点から131…
(第97回選抜高校野球大会1回戦)
1回戦16試合が終わり、気になるのは昨年の大会から導入された低反発バットの影響だ。
本塁打数は昨年の1回戦終了時に2本出たのに対し、今大会はランニング本塁打1本のみ。一方、総得点は昨年の103点から131点に、二、三塁打は38本から46本に増え、新基準バットへの適応がうかがえる。
1回戦最後の試合で三塁打を放った日本航空石川の1番北川(2年)は165センチと小柄な体で、きっちりバットを振り切って左中間を割った。入学当初から新基準のバットを使用してきた一方、旧基準のバットで練習していた経験があり、その違いに驚いた。
「(低反発バットは)全然打球が飛ばなくて戸惑った。今はとにかく芯で打つことを心がけている」。変化球を芯で捉えるのは難しいが、プロを目指すという本人は「技術の向上につながる」と前向きだ。
芯で捉えて低いライナー性の打球を飛ばすことは、どのチームも取り組んでいる共通の対策と言えそうだ。
また、前日の試合で甲子園初出場、初勝利をあげた浦和実(埼玉)の辻川監督は守備力の強化を挙げる。「ロースコアの戦いが多くなるから守れれば勝てる、と昨秋から取り組んできた」。全体的に好守が目立ち、1回戦は無失策試合が2試合あった。
道具の変化が、野球の基本を呼び起こし、さらなる向上につながっている印象だ。(堀川貴弘)