<第97回選抜高校野球大会:花巻東6-3二松学舎大付>◇23日◇2回戦◇甲子園 二松学舎大付(東京)は花巻東(岩手)の前に敗れ、1982年以来、43年ぶりの8強入りはならなかった。それでも7回に反撃を見せ、一時は1点差まで詰め寄った粘りは称…
<第97回選抜高校野球大会:花巻東6-3二松学舎大付>◇23日◇2回戦◇甲子園
二松学舎大付(東京)は花巻東(岩手)の前に敗れ、1982年以来、43年ぶりの8強入りはならなかった。それでも7回に反撃を見せ、一時は1点差まで詰め寄った粘りは称賛に値する。その「主役」は、5番・永尾 愛蓮捕手(3年)だった。
7回無死一塁で迎えた打席で、2球目のスライダーを左翼席へと運ぶ2ランを放った。大会初のサク越えとなる大会2号。チーム初得点はド派手な一発でもたらされ、二松学舎大付ベンチも追い上げムードとなった。
抜けたスライダーだった。肩口から入っているような変化球。失投といえば失投で、難しい球ではなかったが、打ち方としては「お手本」のようなスイングだった。内から真ん中に入ってくる球に対して、思い切り引っ張るのではなく、バットのヘッドをしっかり遅らせれて、体の回転にバットがついてくるようにスイング。両腕をうまくたたみ、下からではなく、上からしっかりたたくようにスイングしていた。打ったのは変化球だったが、この打ち方は内角直球に対しての対応も同じことが言える。
「スライダーに的を絞っていて、センター返しを心がけた結果、うまく芯に当たって本塁打にできた。風もあって伸びた」
永尾本人が、そう振り返った高校通算4本塁打目は、打撃フォームを追求してきた努力のたまものだろう。センバツでは、惜しくも8強入りはならなかったが、夏の甲子園で再び永尾の「お手本」のような打球を見たい。