◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」 先月22日、サウジアラビアで行われた1着賞金1000万米ドル(約15億7000万円)の世界最高賞金レース、サウジカップを、日本馬フォーエバーヤングが制したことは記憶に新しい。 その前日に当地で行われた国…
◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
先月22日、サウジアラビアで行われた1着賞金1000万米ドル(約15億7000万円)の世界最高賞金レース、サウジカップを、日本馬フォーエバーヤングが制したことは記憶に新しい。
その前日に当地で行われた国際騎手招待競走「インターナショナルジョッキーズチャレンジ」に日本から永島まなみ騎手(22)が出場した。昨年7月に女性騎手最速でJRA100勝を達成した人気ジョッキーで、これが公私を通じて初めての海外。永島騎手は「世界のトップジョッキーの中で乗れる」と胸を高鳴らせた。
だが、結果は全4戦を終えて、14人中11位という悔しい結果に。慣れない異国の地で洗礼を浴びた。日本では騎乗してから時間をかけて準備運動をするが、サウジでは乗ってから間もなくゲートに向かい、すぐの発走になる。「乗ってからレースまでが慌ただしくて、騎乗馬の癖を把握することが難しかった」と振り返った。短い時間のなか、初めて乗る馬と意思疎通を図るのは難しい。それでも、世界の名手たちはあっさりと勝利していく。
腕達者がそろったレースでは、当然ポジション取りも厳しくなる。「他馬との間隔がすごくタイトで、好きなように動けなかった」と悔やんだ。ただ、それを経験できたことは何よりの収穫だろう。「まだまだだなと思いました。通用するためにはもっと努力をしないと」と前を向いた。
今回の遠征には競馬の騎乗時にサポートをしている姉のみなみさんが帯同。それが何よりも心強かった。「デビューの前から応援してくれる家族に、恩返しがしたい。いつか海外でも勝ちたいです」。そんな永島騎手の挑戦を、これからも応援していきたい。(中央競馬担当・山下 優)
◆山下 優(やました・ゆう) 1983年、東京都生まれ。大阪レース部で本紙予想を担当。