中日の上林誠知がチーム唯一の複数安打を放った 中日の上林誠知外野手が22日の楽天戦に「3番・左翼」で先発出場し、4打数2安打1打点の活躍。これでオープン戦14試合に出場し打率.333、5打点、3本塁打、OPSは.944となった。この日、チー…
中日の上林誠知がチーム唯一の複数安打を放った
中日の上林誠知外野手が22日の楽天戦に「3番・左翼」で先発出場し、4打数2安打1打点の活躍。これでオープン戦14試合に出場し打率.333、5打点、3本塁打、OPSは.944となった。この日、チームで唯一の打点を上げた場面には「結果で示せたのは良かった」と手応えを感じていた。
前日の試合では途中出場だったが、この日は3番でのスタメン抜擢に気持ちも乗った。1点ビハインドで迎えた初回1死二塁のチャンスで打席に入ると一、ニ塁間を抜ける右前適時打を放ち先制に貢献。「3番の役割はランナーを返すこと。結果で示せたのは良かった」と冷静に振り返った。
さらに、適時打の後すかさず盗塁。2022年5月に右アキレス腱を断裂してから、足の状態は100%には戻っていなかったが「足も状態はいい。感覚が良くなってきた」と自信を持ってノーサインで盗塁を決めた。さらに勢いは止まらず第3打席には初球をとらえ右前打を放つなど、チーム唯一の複数安打を放った。
この活躍には井上一樹監督も「タイムリーを望んでの打順。今年キャンプから頑張ってオープン戦でも3本塁打。クリーンアップを考える時に候補であることは間違いない」と評価は高い。
2013年ドラフト4位でソフトバンクに入団し、2018年は全試合に出場し22本塁打を放つなど、3度の2桁本塁打を記録。打力に優れた逸材として大きな期待をかけられていたが、故障に苦しみ2023年オフにソフトバンクから戦力外通告を受け、中日に加入した。
昨季は46試合に出場し打率.191、1本塁打、3打点と、思うような成績には届かなかった。今季から井上監督の現役時代と同じピンク色のリストバンドを右腕に着用し、マスコットバットもピンク色で新調した。何かを変えたかった。そんな思いがオープン戦で結果に表れ始めた。
「スピードが出ている感覚はある。守備でも走塁でも活かせると思います。チャンスがあればどんどん走りたい」。どんな結果にも表情は変えず淡々と自分を見つめる。走攻守、三拍子が揃った本来の上林が復活の兆しを見せている。(木村竜也 / Tatsuya Kimura)