日本代表が20日、26年北中米W杯出場を決めた。22年カタールW杯後に、チームの目標を「W杯優勝」に定め、アジア最終予選は6勝1分けと無敗の強さを見せた森保ジャパンの進化を、日本代表担当記者の「見た」で掲載する。 * * * 6勝1分け…
日本代表が20日、26年北中米W杯出場を決めた。22年カタールW杯後に、チームの目標を「W杯優勝」に定め、アジア最終予選は6勝1分けと無敗の強さを見せた森保ジャパンの進化を、日本代表担当記者の「見た」で掲載する。
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6勝1分け、24得点2失点。これ以上は求められない戦績で、森保ジャパンは最終予選に区切りをつけた。しかし、メンバー固定による史上最速突破には、「功」と「罪」の2つの側面があったことを認識した上で、W杯までの1年3か月を過ごしていく必要がある。
W杯出場枠の拡大もあったが、森保監督は「まずは突破を決める」と言い切り、堅い采配を続けた。
第1戦中国戦(7〇0)と、突破を決めた第7戦バーレーン戦(2〇0)で、先発は2人しか代わっていない。それも、負傷招集外のDF谷口彰悟とDF町田浩樹のところにDF瀬古とDF伊藤が入っただけ。主力は固定化され、チームの好調もあって戦術の幅を広げることもできていない。
22年カタールW杯(16強)で分かった日本の立ち位置をまとめると
〈1〉最高のパフォーマンスを発揮すれば、W杯優勝経験国のドイツやスペインに勝つ力がある(ともに2〇1)
〈2〉少しメンバーを落とすと、コスタリカにあっさり負けてしまう(0●1)
〈3〉中堅国クロアチアとの実力差はわずかだが、経験値や勝負強さで一歩及ばない(1△1、PK1●3)。
ここまでの最終予選では、〈1〉の自信を深め、〈3〉の力を磨くべく戦った。主力級15人ほどの実力と連係は、カタール大会時のチームを確実に上回っている。
しかし、何かに特化するということは、何かがおざなりになるということ。〈2〉への対策に関しては、ほとんど手がつけられていない。
開幕までの順当すぎる戦績が仇(あだ)となった14年ブラジルW杯(1次リーグ敗退)の例もある。本当に世界一を目指すのなら、決勝までの8試合を見据えたマネジメントが必要だ。今後は、本当の意味で選手層を厚くし、総合力を高めていくことが求められる。(岡島 智哉)