<春季愛知県大会 西三河地区一次トーナメント2回戦:岡崎工科 7―4 刈谷北>◇22日◇岡崎工科グラウンド 抜けた存在があるわけではなく、多くの学校に上位進出の可能性もあるのが西三河地区である。公立校が地区1位を得ることも多く、いわゆる中堅…

<春季愛知県大会 西三河地区一次トーナメント2回戦:岡崎工科 7―4 刈谷北>◇22日◇岡崎工科グラウンド

 抜けた存在があるわけではなく、多くの学校に上位進出の可能性もあるのが西三河地区である。公立校が地区1位を得ることも多く、いわゆる中堅校も、県大会進出を得られるチャンスも多い。

 かつて、春のセンバツに2度出場実績のある岡崎工科も、現在はそんな位置づけの一つと言ってもいいだろう。

 刈谷北は昨年春部員不足で藤井将大監督も頭を痛めていたが、春に新入生を確保して、夏の大会では強豪・桜丘に善戦。チームとしても「しっかりと戦えるぞ」という自信を得た。そして、今春の大会では、その新2年生が中心となった。さらに、新入生もある程度は集まりそうだというところである。

 刈谷北は135キロ前後をコンスタントに出す左腕の出雲 暖人投手(2年)、岡崎工科は安定感が出てきたという山口祈楓投手(3年)が先発で、2回を終えた段階では「いい投手戦になっていくのではないか」という雰囲気だった。

 そんな雰囲気の中で、3回に刈谷北が、9番に入っている出雲投手自らのタイムリー打と2番平岡和真選手(2年)の一、二塁間を破る安打で2点を先取する。しかしその裏、出雲投手は先頭に四球を与えてしまう。これが、結果として逆転を許すことになった。岡崎工科は、二死一、二塁として4番大平海惺選手(3年)が巧みに三遊間を破り1点を返す。さらに暴投と5番土井翔斗選手(3年)の左前打で逆転。

 これで試合の主導権は岡崎工科に移った。4回にも相手失策で1点を追加すると、5回にも内野安打、失策、暴投、さらには振り逃げなどもあって刈谷北の守りが乱れて3点が入った。岡崎工科は、得点をしっかりものにしていった形でリードを広げた。

 反撃したい刈谷北は6回、二死走者なしから満塁を作って、7番長谷川潤捕手(2年)がしぶとく三遊間を破って2者を帰したが、反撃もそこまでだった。7~9回も、走者は出すものの、山口投手が何とか踏ん張って、岡崎工科が逃げ切った。

 岡崎工科の平松忠親監督は、「今日は、山口は完投というつもりでした。この冬を越して成長したと思うし、よく投げられた。昨夏、実は私がアキレス腱を切ったりしてチームの練習をあまり見られなかった時期が3カ月くらいありました。そんなこともあったんですが、チームとしても夏のメンバーはほとんどいないので、こうして試合をしていきながら経験を積んでいくという形ですね。課題としては、もっと足を絡めた攻撃をしたい。そのあたりは、ここからさらに試合を重ねて磨いていきます。(このチームでは)県大会には出場しないといけませんね」と、語っていた。

 刈谷北の藤井監督は、「3回の攻防が一つの山でしたね。せっかく得点した後の守り、ここをどう締めていかなくてはいけないのかということは、今後の出雲のテーマでもあります。どう取り組んでいくかということですね。これから暖かくなってこれば、もっとスピードも出てくるのではないかと思います」と出雲投手への期待は高い。ただ、チームの戦いとしては、「ミスをするのではないかと思っていた選手にミスが出たというのは、やはり、チームとしてまだ力が不足しているということでしょう。この負けから、また成長していかなくてはいけません」と、引き締めていた。