フリースタイルスキー・スノーボードの世界選手権は22日、スイスのサンモリッツで第5日があり、非五輪種目のスノーボード女子パラレル回転は、同大回転銀メダルの三木つばき(浜松いわた信用金庫)が金メダルを獲得した。豊田亜紗(ビクトリア)29位、…
フリースタイルスキー・スノーボードの世界選手権は22日、スイスのサンモリッツで第5日があり、非五輪種目のスノーボード女子パラレル回転は、同大回転銀メダルの三木つばき(浜松いわた信用金庫)が金メダルを獲得した。豊田亜紗(ビクトリア)29位、竹内智香(広島ガス)は41位で予選敗退。男子の斯波正樹(富丘バオバブ保育園)は17位で予選で敗れた。スキークロス混合団体は、笹岡蒼空(そら)(日体大)中西凜(京都光華SC)組の日本は15位。
21日の第4日はデュアルモーグルがあり、男子モーグルを制した堀島行真(トヨタ自動車)が決勝でミカエル・キングズベリー(カナダ)に敗れて銀メダル。4大会ぶりの2冠はならなかった。女子は柳本理乃(愛知ダイハツ)が8位、モーグル2位の冨高日向子(多摩大ク)が9位。
■王者への敬意
歓声に包まれながら、堀島とキングズベリーの2人がゆっくりと滑り降りてきた。堀島は途中でコースの外へ。王者のゴールを見届けると、拍手を送った。
2人の選手が同時に滑って競う男子デュアルモーグル決勝は、ライバル同士による決戦になった。だが、直前の準決勝で堀島が転倒。左足を痛め、トレーナーから決勝への出場を止められた。それでもスタートしたのは「彼への敬意と感謝の気持ちを示したかった」からだった。
大きな背中を追ってきた。
絶対王者と呼ばれるカナダの32歳は2018年平昌五輪で金メダルを取り、世界選手権は3大会連続でモーグル、デュアルの2冠を達成。5歳下の堀島にとって「目標でもあり、彼を倒さないと優勝はない」という存在だ。苦しい練習も、その思いがあったから乗り越えられた。
成長を示す、と臨んだ今大会。まずはモーグルで見せた。エアで磨いてきた大技を決め、金メダル。牙城(がじょう)を崩した。
そして、もう一つ。来年のミラノ・コルティナ大会から五輪種目になるこのデュアルに向け、強化してきたのがスピードだった。ただ、準決勝は二つ目のエアで飛びすぎて、勢い余って転んでしまった。「極限のスピードで戦っている。決勝も勝負したかったけど、残念」
今回、2種目で2人は金メダルを分け合った。「大きな収穫があった。キングズベリーの強さも改めて実感した」と堀島。王者も「彼の滑りはとてもファンタスティック。次は互いに万全な状態で勝負したいね」。
その背中は近づいたのか。1年後、答え合わせの冬がやって来る。(サンモリッツ=山口裕起)
■三木、雪辱の金メダル
いきなりの「直接対決」だった。スノーボードの女子パラレル回転の予選タイムトライアル1回目。三木は2日前に行われた大回転の決勝で争い、金メダルをさらわれたレデツカ(チェコ)と同組で滑った。
「意識しないようにしていたけど、うれしかった」と三木。雪辱を期す21歳はスタートから飛び出し、女王を焦らせる。相手が中盤でバランスを崩した間に先行し、そのままゴールした。
2回の合計タイムで予選トップ通過すると、決勝ではそのレデツカを破って優勝。雪辱を果たし「信じられない。(途中で)クラッシュした(バランスを崩した)けど、最後まであきらめない気持ちだった」。今季のワールドカップ(W杯)種目別優勝の勢いを、大舞台で見せつけた。
スノーボード女子パラレル回転で予選敗退の竹内智香 12回目出場の41歳。「難しいコースだった。昨季、腰が痛くて競技を引退しようと考えたけど、やっぱりスノーボードが好き。来年は五輪の女神がほほえんでくれるよう頑張ります」