(22日、第97回選抜高校野球大会1回戦 早稲田実8―2高松商) 早稲田実が試合の流れを大きく引き寄せた二回の攻撃。貢献…
(22日、第97回選抜高校野球大会1回戦 早稲田実8―2高松商)
早稲田実が試合の流れを大きく引き寄せた二回の攻撃。貢献したのは昨夏、メンバーに入れなかった2人だった。
1死走者なし、6番打者の喜沢駿太(3年)は、念願の甲子園初打席を迎えた。「やっとここに来たんだな」
相手投手は速球派。上からたたくように打つことを意識し、外角高めの直球を捉えると打球は中前に。練習で意識していたことができた。「納得のバッティングだった」
チームが16強入りした昨夏の甲子園では、メンバーに帯同して練習や宿舎生活を支えた。敗れた大社(島根)との試合では運営を補助する「ボールパーソン」を務めた。緊迫した試合を戦う仲間が近いようで遠く見えた。
その時の悔しさが、練習の原動力だった。試合で使ってもらえる選手になるため、意識してきたのは「試合を決めることより、その場面で求められているプレーをすること」。打力をつけ、つなぐ打撃も意識し、背番号「5」をつかんだ。
挑んだ初舞台。いざ甲子園入りすると、「ミスすることへの怖さと、楽しみな気持ちでごちゃごちゃになった」。でも、この日は四回、五回にも送りバントを確実に決めて追加点につなげ、九回は適時打も放った。
もう一人の立役者は9番打者の五木正剛(同)だ。五木は昨夏の甲子園、最後の大社戦はスタンドで見ていた。同級生8人がベンチ入りするなか、喜沢と「今度こそは自分たちも」と誓い合った。
二回、中村心大(こうだい)(同)の左越え二塁打で喜沢が先制のホームを踏み、さらに2死三塁。五木が打席に入った。「低い打球をゴロでもいいから打って、つなごうと思っていた」。はじき返した変化球は中前適時打になり、試合の主導権を握る、貴重な追加点となった。
試合後、喜沢は「やってくれるだろうと信じていた」と五木の活躍を喜んだ。2人の活躍もあり、チームは初戦を快勝したが目標は優勝。喜沢は「まだ甲子園での『借り』を返せたとは思っていない」。悔しい思いを力に変え、甲子園に戻ってきた2人の新たな挑戦が始まった。(西田有里)