銀幕で共闘した滋賀と埼玉が、今度は甲子園で激突――。第97回選抜高校野球大会は22日、第3試合で滋賀学園と浦和実…

対戦が決まり健闘を誓う滋賀学園の藤本聖人主将(左)と浦和実の小野蓮主将=大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールで2025年3月7日、長澤凜太郎撮影

 銀幕で共闘した滋賀と埼玉が、今度は甲子園で激突――。第97回選抜高校野球大会は22日、第3試合で滋賀学園と浦和実(埼玉)が対戦。2023年公開の映画にちなんだ「翔んで埼玉」対決が実現した。

 「翔んで埼玉」(19年公開)は、とことん埼玉県をディスる(けなす)ギャグ漫画を実写化した映画。「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」などのセリフが話題を呼んだ。

 続編「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」(23年公開)では関西に舞台を移し、大阪府などに虐げられてきたとして、滋賀県と和歌山県、奈良県、埼玉県が共闘するストーリーが展開される。滋賀県民を「ゲジゲジ」とやゆし、「風に吹かれればすぐ止まる湖西線か」など随所に滋賀ディスりがちりばめられている。劇中では、実際には兵庫県西宮市にある甲子園を「大阪甲子園球場」として登場させ、高校野球大会の話題も出てくる。

 22日、現実世界の1回戦では、それぞれの地区大会で強豪を打ち破った両校が対戦。スタンドでは、夏春連続出場の滋賀学園の応援団による「キレキレダンス」が注目され、春夏通じて初出場の浦和実は全国大会で活躍するチアダンス部が盛り上げた。

 孫が浦和実の野球部に所属しているという前橋市の会社経営者の船津等さん(69)は「映画はともに戦ったけど、試合は容赦なく勝ってほしい」と願った。

 滋賀県東近江市の小学校臨時講師の河野麻美さん(50)は「もちろん滋賀学園を応援しているが、両校とも良い試合をしてほしい」とエールを送った。【峰本浩二】