◇米国男子◇バルスパー選手権 2日目(21日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)このPGAツアーでひとつ予選を通ることが、どれほど大変なことか。身に染みてわかっているつもりでも、ルーキ…

今季初の決勝ラウンド進出 ※撮影は練習日

◇米国男子◇バルスパー選手権 2日目(21日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)

このPGAツアーでひとつ予選を通ることが、どれほど大変なことか。身に染みてわかっているつもりでも、ルーキー大西魁斗は改めて実感した。「72」とひとつ落としたものの、通算イーブンパー39位。今季出場6試合目で初の予選通過となり、「金曜日の夜に笑って眠れるのは久しぶり。金曜日が終わって(予選落ちで)『もう終わりか…』みたいな悲しいというか、悔しい日々が続いてきた。今年初めて一週間を長く感じられそうです」と声を弾ませた。

今週に至る過程と同じく、23位と上々の位置からスタートしたこの日もタフな戦いだった。前半をパープレーで折り返しても、「ずっとドキドキでした」という後半に試練が訪れる。ティショットが右サイドの木の近くに止まり、それでも何とか花道まで運んだ7番でショートパットを決めきれずにボギー。この時点でカットラインまで2打の余裕があっても、244ydと長いパー3の8番、さらにこの日最難関だった9番パー4が控えて心にゆとりがあるはずもない。

ティショットで必死にグリーンを捉えた8番を2パットのパーで切り抜けるも、9番の1Wショットが左フェアウェイバンカーにつかまった。初日も1Wを握って右のバンカーを越えてすぐのラフに入れていたこと、打つ前にアゲンストの風を感じたことを踏まえて「右バンカーに入れたらアゴにくっつくかも…」というリスク管理から“ミスするなら左”は想定内。不運だったのは、左バンカーのアゴにくっついたこと。2打目も目の前のラフに出すだけとなり、左足下がりのライからグリーンに向かって打ち上げる厄介なライが残った。

ガードバンカーから距離のある4打目も寄せきれず、ボギーパットは7m近い距離。ダブルボギーなら一気にカットライン付近まで後退する状況で何とかねじ込み、感情があふれた。

冷や汗をかく通過となったが、リーダーボードを見れば首位とは6打“しか”離れていない。「もう失うものもないですし、あしたも違う戦略になってくると思う。もう少し攻撃的に行きたいですね」。下部コーンフェリーツアーから昇格を果たして戦うシーズン。チャレンジャーとして、磨いてきたゴルフを存分にぶつける残り2日間だ。(フロリダ州パームハーバー/亀山泰宏)