【長崎】第97回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場した壱岐。20日にあった1回戦の東洋大姫路戦で2―7で敗れた。しかし序盤は壱岐のペース。選手たちは自信と教訓を得た。 「壱岐らしい、はつらつとしたプレーを」と話していた坂本徹監督は試合に手…

 【長崎】第97回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場した壱岐。20日にあった1回戦の東洋大姫路戦で2―7で敗れた。しかし序盤は壱岐のペース。選手たちは自信と教訓を得た。

 「壱岐らしい、はつらつとしたプレーを」と話していた坂本徹監督は試合に手応えを感じた。「しっかり粘った。楽しかった」と試合後のインタビューで切り出した。

 主将の浦上脩吾投手(3年)は6失点。「みんなにあやまりたい」と反省した。しかし、序盤は猛打の東洋大姫路の攻撃を耐えしのいだ。

 序盤の好投の陰には努力があった。昨秋の九州大会の準々決勝でエナジックスポーツ(沖縄)に打ち込まれた。パワーが足りないと思った浦上投手は体重増に取り組んだ。昨年11月から12月にかけて一気に6キロ増加させている。

 試合後のインタビューの最後、浦上主将は「夏に向け、もう1回やろうと仲間に言いたい」と主将の顔を見せた。

 強豪を恐れない強さが、全員島出身の選手たちにはあった。選抜大会前のアンケートでは対戦したい相手に東洋大姫路だけでなく健大高崎、横浜の名が挙がっていた。いずれも「力試し」が理由だった。メンタルの強さとセンバツで得た知見は、夏の大会の糧になりそうだ。

 島の人たちも選手たちの健闘をたたえる。同窓会長の永田宗広さん(69)は「子どもたちは良くやった。壱岐の名が全国に響きわたった。地域創生という面でも元気をもらった」と話している。(天野光一)