◇米国男子◇バルスパー選手権 2日目(21日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)首位に並んで迎えた最終9番、久常涼は打ち上げのセカンドでバンカー越えとなるピンにピタリと距離感を合わせて…

◇米国男子◇バルスパー選手権 2日目(21日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)
首位に並んで迎えた最終9番、久常涼は打ち上げのセカンドでバンカー越えとなるピンにピタリと距離感を合わせて右4mのチャンスを作った。少し右から膨らませて狙ったバーディパットはカップに蹴られてパー。「入ったと思ったんですけどね。ちょっと最後に切れなかったから、残念でした」と悔しがったものの、トム・キム(韓国)と並んで予選2日間のベストタイとなる「66」をマークした。
朝イチの10、11番(パー5)で2~3mの好機を逃さず、2連続バーディで飛び出した。「微妙な距離が入ったのは大きかった」。パープレー「71」だった初日からティショット、セカンドともに安定感があり、コンスタントにチャンスメークはできていた。あとは、それを生かし切るパッティング次第――。理想的なバーディ先行で流れが上向いたとうなずく。
14番(パー5)では思わぬミスも出た。右セミラフからのセカンドを「全く意識していなかった」という木に当てて、大きく左へ。ボールは左サイドのロープ外を走るカート道を越えたエリアまで転がった。3打目はほぼ完ぺきなリカバリーで花道まで運んだ後、そこから“3パット”を喫した。それでも、難しい16番からの3ホール「スネークピット(蛇の巣穴)」をいずれもパーで切り抜けて引きずらない。特に18番は20mもあったバーディトライをほぼOKの距離まで打ち切った。
ターニングポイントに挙げたのは後半3番。折り返して1番(パー5)でバーディを奪った後、2番を3パットボギーとして迎えたホールだった。ほとんど真っすぐだったラインの8mが最後のひと転がりでカップに沈むバウンスバック。「そういうギリギリのところが入ってくれたのもあった。その辺が良かったのかな」と振り返る。
初日「-0.403」(93位)だったパッティングのスコア貢献度は「+3.271」(5位)と劇的に向上。18ホールで決めたパットの総距離も初日の71フィート(約21.6m)から、フィールド3番目の122フィート(約37.1m)に伸びた。
2日目にかけて何かを変えたわけではなく、ポイントは試合前の準備段階にあった。練習日のパッティンググリーンでは、今週サポートをお願いしているオーストラリア人コーチのガレス・ジョーンズ氏が頭を手で押さえた状態でボールを転がす基礎的な確認作業も取り入れた。「やっぱりツアーを戦う中で、だんだんズレていく部分がある。それを今週、ある程度しっかり元に戻せたっていうことが、ひとついい要因なのかなと思います」。ベースが整えば、こうしてかみ合う瞬間が訪れる。
通算5アンダーで首位と1打差2位。PGAツアーで決勝ラウンドに入るポジションとしては、昨年3月「プエルトリコオープン」の2打差2位を上回って自己ベストとなる。ザンダー・シャウフェレやビクトル・ホブラン(ノルウェー)、シェーン・ローリー(アイルランド)といった有力選手とともに上位に名を連ねたリーダーボード。「久々にこういういい位置でプレーできるのですごく楽しみ」と力強く週末を見据えた。(フロリダ州パームハーバー/亀山泰宏)